優勝戦線から脱落した巨人。敗因は9月の大失速(6勝14敗5分)にあるが、そこから見えてきたものがある。オフの補強ポイントだ。
「狙いは、永遠のライバル阪神の〝扇の要〟、梅野隆太郎捕手ですよ。今年5月に国内FA権を取得し、その後は権利を行使するともしないとも言っていません」(在阪記者)
梅野はもともと「残留濃厚」と見られていた。その理由は〝希望球団の都合〟がある。
福岡県出身の梅野の本命はソフトバンクだが、そこにはともに侍ジャパンで金メダルを勝ち取った甲斐拓也がいる。重複する戦力は無意味であり、仮に移籍が叶ったとしても試合に出られなければ意味がない。
「捕手難だった中日、楽天はトレードでそれを補っています。ロッテも田村龍弘が復帰しました」(同)
捕手事情が変わり始めたのが巨人だ。9月29日の中日戦、小林誠司捕手の守備のミスで均衡が破れ、試合も落としている。原辰徳監督はそのバッテリーミスのことを聞かれ、「重箱の隅をつつきゃ…」と吐き捨てた。
「後半戦、小林の存在感が大きくなりました。山口俊の帰還、菅野智之の復調、その2人と呼吸が合うのは小林です」(球界関係者)
“正捕手”を外から連れてくるしかない…
今さらだが、小林が正捕手として定着できない理由は、打撃力のなさにある。大城卓三、岸田行倫もいるが、守備力では小林が上。一部では「各投手との相性を再精査」とあったが、それだけではない。
「シーズン開幕前、原監督はチームを次のステージに進めるため、これまでの捕手併用制ではなく、ある程度は固定したいと語っていました。小林たち3人に正捕手の座をとる力がなければ、外から連れてくるしかありません」(同)
そこで、FA権を取得した梅野が急浮上してきたわけだ。梅野は3年連続ゴールデングラブ賞を獲得した守備力だけではなく、勝負強い打撃面にも定評がある。
もちろん、梅野のチーム愛は言うまでもないし、阪神も「100%慰留」の方向でいる。それでも、昨秋のドラフト会議で強肩が売りの榮枝裕貴を指名したのは、万が一に備えてのこと。梅野から「残る」の返答を得ていないわけだ。
「有事の際、阪神は人的補償で徹底的に巨人を揺さぶってきますよ」(同)
オフのGT対決も盛り上がりそうだ。
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