今年、デビュー30周年を迎えた大石まどか。記念シングル『茜の炎』は売上好調だが、ボーナストラックに入った芸人・ダンディ坂野とのデュエット曲『愛が生まれた日』も注目を集めている。平成が生んだデュエットの名曲を、令和に甦らせた2人。コロナ禍で営業活動もままならないが、せっかくなので本誌がアピールの場をゲッツ!?
――新曲『茜の炎』は♪今さら恋なんていらないと思ってた…から始まります。失礼ながら3年前には離婚を経験されている。歌詞はご自身の心境なんですか?
大石 少しは近いかもしれませんね。同年代の女性同士で集まっても恋バナなんて縁がないし、そもそも出会いがありませんから。「もう恋はいいかな」という気持ちは正直ありました。ただ、この歌詞は、そんな私と、私の境遇に似たような女性に対する応援メッセージなんです。色んな事情で恋に臆病になっている女性が素敵な男性と巡り会い、初恋のような純粋な恋に落ちる…という純恋歌です。
――曲調は演歌というよりボサノバに近い?
大石 そうですね。私にとっては初めての本格的な歌謡曲です。衣装も和の中に洋を取り入れ、ピアスやネックレスをしてヒールも履いてるんですよ。作曲家の幸耕平先生は「私が等身大で歌える歌を」ということでメロディーを先に書いてくださり、作詞家の及川眠子先生には「こういう内容で」とお願いしてくださいました。
――恋に臆病だと?
大石 そう思われたみたいです(笑)。レコーディングの前に先生のご自宅で1時間ほどレッスンを受けたのですが、40分はおしゃべりでした。その中で、私たちの世代は子育てや離婚などを経験して、恋とか愛とかを忘れがちというか遠ざけている。でも先生は「恋をしてないと女の人はダメだよ」って。だからこういう曲ができたんです。
――ダンディ坂野さんとのデュエット『愛が生まれた日』は、どういういきさつで決まったんでしょう?
大石 ダンディさんは同じ事務所ということもあり、ゴルフコンペでご一緒するなど交流はあったんです。ダンディさん、80年代ポップスがすごくお好きでYouTubeもやられてますよね。歌もお上手だし、ご一緒したら楽しそう…と思っていました。それでお願いしました。
コロナで営業できないのがとても残念
――ダンディさんはどんな印象ですか?
大石 呼吸はとっても合います。それまでの印象はすごく物静かな方というイメージでしたが、ご一緒させてもらったらご家族の話など気さくに話していただいて、なによりも歌うことが好きという気持ちが伝わってきました。実はこの歌、男性はすごく技術がいるんです。突然1オクターブ上がったり。ちょっと難しいけど大丈夫かなと思っていたのですが、ダンディさんはボイストレーニングに何度も通ってくださって、すごく真摯に勉強してくださったんですよ。
――お2人のユニットで営業に回ったら、とても評判になるでしょうね。
大石 そうなんです。ダンディさんのゲッツ! って、確実に受けるでしょ? つかみはバッチリなのになぁって…。コロナで営業できないのがとても残念です。
1992年、大石円の名で演歌アイドルとしてデビュー。バラエティー番組『天使のU・B・U・G』(フジテレビ系)に出演した経験も持つ。2002年に所属レコード会社を移籍したのを機に大石まどかと改名した。
――所属するサンミュージックには、歌手、俳優、芸人など幅広いジャンルの方が所属していますが、交流はあるのでしょうか?
大石 先ほどのゴルフコンペとか、会社の周年パーティーなどでお会いするくらいの方もいますが、刺激があってすごく楽しいですよ。プラスになることの方が多いと思います。私が長い間レギュラーMCを務めていた番組『えんかe-ジャン!』(ラジオ日本)では、サンミュージックの芸人さんが前説で出てくれてたんです。その初代がカンニング(コンビ時代)で、次が髭男爵、そしてエルシャラカーニ。みなさん、前説を卒業してから売れたんです。
――あげまん番組じゃないですか!?
大石 まぁ、そうなりますかね(笑)。
YouTube番組『秘話!サンミュージック』で司会役
――演歌界では、どんな方と交流がありますか?
大石 石原詢子さんと多岐川舞子さんかな。コロナなので、直接は会えないけれど、1週間に2回はメールのやり取りをして、お互いに独り身なので生存確認をし合ってます(笑)。あとは大先輩ですけど伍代夏子さん。とても可愛がってもらっていて、この3人には頭が上がらないですね。
――5年前の本誌のインタビューでは、一風変わった趣味を披露されていました。「国道看板の写真コレクション」。国道の標識看板と一緒に写真を撮るというもので、当時で70枚ちょっと集まっていたと思います。今も続いてますか?
大石 はい、続けてます。ただ、全国に行けないので中断しています。ブログには150枚ほど公表してきましたが、全国にはまだ300以上も残っているんです。ブログではありませんが、最近やっていて楽しいのはYouTubeの『秘話!サンミュージック』という番組ですね。会社を立ち上げた時のメンバーである福田時雄名誉顧問(92歳)が、昔のことをたくさん話してくださるんです。私は在籍31年の古株ということもあり、司会役を仰せつかって色んな方のエピソードを聞き出しながら驚いたり、笑ったりしています。
――印象的なエピソードはありましたか?
大石 それはもう、たくさん! 中でも桜田淳子さんのお話が印象的でした。実は私、お会いしたことがないんですけど、当時のスタ誕(人気オーディション番組『スター誕生!』1971~83年)に出た桜田淳子さんには(彼女が欲しいと)25社のプラカードが上がったそうです。大手事務所の方が名刺を持ってズラリと並ぶ中で、その頃の我が社には森田健作さんと野村真樹(将希)さんくらいしかいらっしゃらなかった。勝ち目はありませんよね。そしたら、偶然にも淳子さんが森田さんのファンで、厳格なお父様も「森田さんがいる事務所なら確かだろう」とOKが出たんだそうです。この放送回はバズりましたね。その他にも酒井法子さん、早見優さん、都はるみさんなど全9話がアップされています。都はるみさんの回は、矢崎滋さんとのロマンスが騒がれたタイミングだったのでバズったようです。今後も色んな方の秘話をアップしていきますので、お楽しみに!
大石まどか◆おおいしまどか 1972年9月8日生まれ。北海道函館市出身。
ツイッター@madoka_oishi インスタグラムmadoka_oishi
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