YouTubeに視聴者を取られつつあるテレビのバラエティー番組が、さらなる危機に直面している。
8月24日、『痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー』等が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会で審議されることが決定した。対象となるのは在京キー局などで放送された番組で、あえて個別の番組を取り上げるものではないとしている。
BPOは、7月に開催された青少年委員会が、中高生モニターに対してアンケートや面接調査を実施。その結果、「出演者に痛みを伴う行為を仕掛け、それをみんなで笑うような、苦痛を笑いのネタにする各番組は『不快に思う』、『いじめを助長する』などの意見が継続的に寄せられていること等を踏まえ、決定した」のだという。
1000人近い制作関係者が路頭に迷う
ちなみに、民放局すべてが『痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー』番組を制作しているといっても過言ではない。
「日本テレビは『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけないSP』、『有吉の壁』、『有吉ゼミ』、『世界の果てまでイッテQ!』。TBSは『モニタリング』、フジテレビは『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』、『新しいカギ』、『さんまのお笑い向上委員会』。テレビ朝日は『ロンドンハーツ』や『アメトーーク!』、『ナニコレ珍百景』などです。芸人イジリが基本、できないということ。青汁を飲まされるなどの罰ゲームも対象となるわけです」(テレビ局関係者)
BPOの勧告は、スポンサーらに物凄い影響力を持っている。名前が挙がった番組は、3年以内に消滅する可能性があるというのだ。
「1000人近い制作関係者が路頭に迷うことになる。美術、技術を入れた制作費やギャラなど、金額にしたら3年間で10億円は超えるでしょう。この額が、テレビ界に落ちてこなくなるということです。イジメを助長するとの意見を唱えるBPOに対し、局もしっかりと戦ってほしいものです」(制作会社関係者)
テレビ離れが、ますます加速しそうだ。
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