「女性の活躍」を看板政策に掲げた安倍晋三前首相のおかげで、女性の就業率は7割を超え、大企業で取締役に就任する女性も増えてきた。そうした世相が影響してか、近年、裏社会でも「働くオバチャン」が急増。男以上に肝が据わり、小遣い稼ぎの枠を超えた〝違法パート〟に手を染め、莫大な利益をもたらす彼女たちの進出で、違法ビジネス業界は転換期を迎えているというのだ。
一昔前までは、違法ビジネスの王道だった裏DVD販売。年々、店舗販売への締め付けが厳しくなる一方だが、同時に違法ダウンロードも蔓延している。
頼みの綱であるネット販売さえ売り上げがかんばしくなく、店じまいする業者も増えてきている。
ともあれ、客がいる以上は生産を続けなければならないが、すでに主婦が片手間でやれる程度になった作業に、大事な若い衆を使うのはもったいない。そこで、ある業者は自分の母親に白羽の矢を立てたという。
化粧品のような「無料サンプル」
今年60歳になるという母親は、工場のパートとほとんど変わらないような給与で、文句も言わずに働いてくれているそうだ。
「もちろん、オカンだって扱っている商品に、モザイクが入っていないことくらい承知していますが、それが違法になるかどうかまではよく分かっていないようですね。『作業は単純だし、1人で気楽にやれるし、こんないい仕事紹介してくれてありがとね♥』なんて喜んでますよ（笑）」（裏DVD業者）
最近では、彼女なりに利益を出そうと思ったらしく、希望者には無料DVDを送るサービスを発案。試しにこれをやってみたところ、見事に売り上げアップに繋がったという。
男ではなかなか思いつかないシステムだが、この「無料サンプル」は化粧品や健康食品業界では当たり前のこと。中年女性向けのスキームを裏社会に転用させてしまうとは、やはり恐るべき存在である。