今週は『マイラーズC』を取り上げます。
《馬場傾向》
京都の開幕週Aコース使用2週目で行われる。良馬場ならば超高速馬場で、内と前が有利だ。
《ペース傾向》
京都で行われた過去10年では、かなりのスローペースが5回。逃げ馬シルポートが出走していた2012年、13年こそややハイペースだが、以降は平均ペースよりも遅い決着。何が何でも逃げたい馬が出走していると平均ペースまで上がるが、それ以外はスローペースという判断でよさそう。
【関連】JRA重賞『皐月賞』(GⅠ)美人競馬研究家・山崎エリカの「負けない馬券」 ほか
《脚質傾向》
過去10年で逃げ~好位7勝、差し3勝。追込馬の3着以内は20年のヴァンドギャルドの3着のみ。末脚が強烈な同馬でさえ3着に敗れていることから、開幕週らしく、位置取りの差は出ていると言える。
適性、実力共にここでは上位のソウルラッシュ
★ソウルラッシュ
一昨年のマイラーズCの勝ち馬。同レースでは13番枠からやや出遅れ、外から被されてやや窮屈になり、位置が下がってしまう。道中は後方3番手。3~4角で後方中目を通し切って4角出口で外に誘導されると、直線序盤で一気に4番手まで上がり、そこからバテた馬をかわして半馬身差で勝利した。このレースは稍重でベステンダンクがペースを引き上げたことで、やや展開に恵まれた面がある。しかし、京都の超高速馬場で行われた昨年のマイラーズCでも好位の中目を追走してクビ+クビ差の3着に善戦しているように、高速馬場のスローもこなせる。適性、実力共にここでは上位の存在で、昨秋のマイルCSでも2着に善戦している。香港遠征では能力を出し切れなかったが、巻き返しが十分に期待できる。
★エエヤン
前走のダービー卿CTの2着馬。前走時は好位で進めようとしていたが、鞍上がペースが遅いと判断すると自然な形でハナを奪う。そのままペースを引き上げて徐々にリードを広げ、5馬身ほどの差で直線へ。直線序盤でパラレルヴィジョンにやや差を詰められ、ラスト1Fで2馬身ほどのリード。ラスト1Fで同馬に捉えられたが、3着馬には1馬身半差つけており、強い内容だった。本馬はこれまで脚を溜める競馬で折り合い難を見せ、それが成績不振に繋がっていたところがあったが、昨年暮れの芝1400メートル戦、阪神Cを使われたことで行きっぷりが回復。前走は前に行くことで結果を残せた。今回も前に行ければ、怖い存在だ。
★ビーアストニッシド
一昨年のスプリングSを逃げ切り勝ち。昨年のマイラーズCで2番手を追走して0.3秒差の6着、続く安土城Sで2着と、この時期に好成績を残していることが多い。本馬は今年初戦にダート1400メートルのコーラルSを使われたことで行きっぷりが回復。前走の六甲Sは重馬場でジャスティンスカイと競り合ってオーバーペースとなり、結果には繋がらなかったが、スピードは見せた。今回は京都開幕週。前が有利な展開になれば一発は十分にある。
山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式X(旧ツイッター)=@_yamazaki_erika.
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