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芸能人で浮気したいなら金と時間を使え~島田洋七『お笑い“がばい”交遊録』

島田洋七
島田洋七 (C)週刊実話Web

この連載も今回で最終回を迎えました。

エラいもんで、3年間も連載が続き、本『お笑いがばい交友譚』(小社刊)にもなりました。今回、改めて思ったのは、やはり雑誌は大事にしないといけないですね。

スマートフォンだなんだと今の時代は色々とありますけど、雑誌は物として後にも残りますから。俺の中で、漫才ブームのときから雑誌はありがたい存在でしたよ。


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B&B司会の『笑ってる場合ですよ!』は、12時からの生放送に備え午前10時からリハーサルが始まるんです。

空前の漫才ブームもあり、当時は10時半から11時までの30分が毎日取材時間として設けられていた。1社3分で、10社の取材を受けるんです。

ビックリしましたね。それまで10誌くらいしか雑誌を知らなかったですけど、女性誌から料理本まで100誌以上あったんじゃないかな。

俺らが新しいCMに出演すれば記事にしてくれる。B&BのTシャツが売れていれば書いてくれる。

記事の効果でたくさん売れるんですよ。他にも、子ども向けに下敷きや筆箱などのグッズも作ってました。多分、芸能人でグッズを作ったのは、俺らが最初かも。

当時は、雑誌か新聞、あとはテレビでしょ。テレビにしても今のスマートフォンと同じで、情報は流れていってしまい、後には残らないんですよ。

雑誌はそこが違った。俺らが、スタジオ入りすると、入り待ちをしているファンが雑誌を切り抜いて保存しているのを何度も見ましたよ。そういうのを見ると嬉しくてね。

取材を受けると謝礼として5000円や多い社で3万円もらえたんです。当時は、吉本ではなく小さい事務所だったから、取材の謝礼金を貯めていたんです。

そうしたらいつの間にか1000万円になってましたよ。そのお金で野球チームを結成しましたね。

ユニフォームを作ったり、球場を借りたりして、野球好きなテレビ局のスタッフや事務所の人、弟子、中にはフォーリーブスのメンバーも来て、平日の朝に草野球を楽しんでました。

雑誌はありがたい

ところが、最近だと週刊誌はスキャンダルを報道して何かと批判されることもあるらしいですね。そもそも、スキャンダルなんて何もしなければ載りませんよ。

俺も当時、女子大生と歩いていたら、その女の子が横恋慕のように書かれたことがありました。でも、ただ歩いていただけで、何もなかったので活動自粛なんてことにはならなかった。

今の時代、スキャンダルを報道された芸能人は、自分の分が悪いとマスコミの取材を拒否するでしょ。

でもね、スキャンダルさえ起こさなければ、雑誌のお陰で名前が広まったりと宣伝になることのほうが多いんです。

俺の実感だと9割は雑誌で助かってますよ。利用するときだけ利用して、スキャンダルを起こすと拒否するのはちょっとね。

たとえば、芸能人で浮気が発覚することがありますね。もし浮気したいのなら金と時間を使えって言いたいですよ。それこそ佐賀で浮気すれば記者も誰もいないですよ。

もし佐賀の人が気がついたとしても、似ている人がいると思うくらい。女優やアイドルと付き合うと、みんなに見せびらかしたいから、人目につくような都心を歩くんですよ。

佐賀で会えばいいのにね。

3年間愛読していただいてありがとうございました。この連載も切り抜いて保存しています。

島田洋七
1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。

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