警察庁によると、2023年に虐待の疑いがあるとして、全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子供の数は、前年比6.1%増の12万2806人、虐待の摘発は同9.4%増の2385件で、ともに過去最高を更新したことが明らかになった。
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子供への虐待は、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者)が監護する児童(18歳に満たない者)に対して行う行為で、4つに分類されている。
1つ目は「身体的虐待」。打撲傷、あざ(内出血)、骨折、頭蓋内出血などの頭部外傷、内臓外傷、刺傷、たばこなどで火傷を生じさせるような行為のこと。さらに、首を絞める、殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、熱湯をかける、布団蒸しにする、溺れさせる、逆さ吊りにする、異物を飲ませる、縄などにより1室に拘束するなど多岐に渡る。
「摘発で最も多いのは、この身体的虐待です。2つ目に分類されるのは、言葉による脅かし、脅迫、子供の自尊心を傷つけるような言動、無視、拒否的な態度を示す、他の兄弟とは著しく差別的な扱いをするなどの『心理的虐待』です」(ケースワーカー)
「周りの目」で子供を守れ!
3つ目は子供への性交、性的暴力、性器や性交を見せる「性的虐待」。4つ目は子供に適切な食事、衣服、住居などを整えず放置、子供の意思に反して学校に行かせない、病気なのに病院に連れて行かない、乳幼児を残したまま外出といった保護者が世話の責任を放置する「ネグレクト」だ。
ちなみに、3月26日には自らが里親として迎え入れた10代前半の男の子に対し、足や顔を蹴った疑いで札幌市に住む自営業者(38)が札幌南署に傷害容疑で逮捕されている。
なぜ悲惨な児童虐待は繰り返されるのか。前出のケースワーカーが続ける。
「家族間のストレス、住居や経済的な問題、親子の孤立などが虐待の引き金になっている。子供や保護者の周りにいる人たちが『おかしいな?』『何か変だな?』と感じたら、すぐに警察や児童相談所に通報してほしい」
周りの意識も高まらなければ子供は守れない。
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