大谷翔平の元専属通訳・水原一平氏の解雇騒動が、波紋を広げ続けている。当局は大谷への捜査を行わない方針だというが、現地ファンの信頼はすっかり地に落ちた。
アメリカの大手新聞ワシントン・ポストは、現地時間3月23日、連邦検察が大谷を捜査対象にしない方針であると報じた。
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水原氏が借金をした賭け業者側の弁護士による話で、弁護士が検事にたずねたところ、大谷への捜査について「少しも興味を示さなかった」という。
当局側は、大谷が賭博に関与したとは見ておらず、あくまで水原氏の問題と捉えているようだ。
さらに、賭博に関して水原氏のインタビューを掲載した米スポーツメディア・ESPNは、メジャーリーグ機構が大谷の試合出場を認める意向であることを報じている。
何か事態を動かす新証拠でも出ない限り、捜査も出場停止も受けることなく、大谷は引き続きプレーできるようだ。
現地時間25日に大谷は会見を開き、「(水原氏に)巨額の借金があることを(開幕初戦の後に)初めて知った」「僕がブックメーカーへ送金することもない。彼がしていたことも知らなかった」「結論としては僕の口座から、彼がお金を盗んだことになる」と騒動へ初めて言及した。
日本のファンとしては、このまま活躍が続けられる状況は喜ばしいことだろう。
だが、現地での大谷の風当たりはというと、厳しいと言わざるを得ないものがある。
「会見後のアメリカメディアや世論のトーンを見ると、大谷も何らかの関与をしていると疑う見方が強い。当初、大谷が借金を肩代わりしたと語った水原氏が、勝手に彼の口座を使ったと証言を一転させていることなどから、懐疑的な目が向けられています」(米在住記者)
避けられそうにない大谷翔平“ヒール化”
こうした不自然さから、現在、現地ファンの間では「ミズハラがオオタニの身代わりになった」との説すら浮上しているというのだ。
「本人確認が厳格な銀行口座から、何億円単位の送金を勝手にできるとは考えにくい。水原氏が『すべて私の責任』などと罪を被る発言をしているのも不自然であり、現地では『大谷もギャンブルを行っていたが、水原氏をスケープゴートにしたのでは』との説がにわかに浮上しています。違法ギャンブルは出場停止や刑事罰のほか、野球に賭けていたとなれば、球界から永久追放される規定になっている。これは、大谷自身にとって最も避けたい事態です」(スポーツ紙記者)
半ば陰謀論じみている気もするが、事実がどうあれ、大谷が〝MLBのヒール〟と化すことは避けられそうにない。
「そもそもアメリカ人にとって、野球の本場である自国リーグのトップが外国人なのは面白くない。アジア人の大谷に対しても反感が内在しています。そしてこの感情は、今回の件で〝うっすらと抱いていた感情〟から〝明確な敵意〟になったと言っていい。今後、大谷には全米中のヘイトが向けられるかもしれません」(スポーツジャーナリスト)
もし賭博への関与が認められた場合、根底の差別感情も相まって、大谷のヒール化は避けられそうにない。
関与していなかったとしても、現在高まっている批判の声が示すように、水原氏をスケープゴートにしたとの印象によるイメージダウンも必至だろう。
「大谷が信頼を回復するには〝完全な〟身の潔白を証明する以外ありませんが、説明に矛盾が多い中では、なかなか人々を納得させることはできない。大谷はもはや〝詰んでいる〟状況にあり、嫌われ者になりえるかもしれません」(同・ジャーナリスト)
ある国での英雄が、ある国で敵扱いされることは、往々にしてあるもの。大谷もまた、日本では好青年の英雄、アメリカでは賭博から逃げた外国人という、対照的な評価になってしまうのだろうか。
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