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蝶野正洋『黒の履歴書』~日本経済の行方と災害対策

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

日経平均株価が過去最高額を更新して、史上最高値をつけた。

バブル絶頂期を超えたというけど、まったく実感がないというのが、多くの国民の感想だよね。

株に詳しい友人によると、中国の景気が落ち込んで、そこに投資していた資金がアメリカや日本に流入したことで株価が高騰しているということらしい。


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つまり、日経平均株価が過去最高を更新したのは日本の経済成長とは関係なく、海外投資家たちのマネーが市場をぐるぐると回っているだけなんだろう。

現実の日本経済は、賃金があまり上がらないけど物価高が直撃していて、先行きは暗い。

一部の企業は生き残るために人員を削減し、その分の仕事を残っている人たちに上積みして働かせて、なんとか利益率を高めようとしている。

人手不足であることは確かなんだけど、本音を言えば人を雇う余裕もなくなっているということだ。

お金がないから飲み歩いたりする人も少なくなっていて、どこの繁華街も静かになってしまった。

東京都心はまだしも、千葉や神奈川なんて19時を過ぎたら真っ暗で誰も歩いてない(笑)。

24時間営業していたお店も、深夜は閉めることが増えている。これも景気後退と人材不足のダブルパンチの結果だろうね。

何よりもよくないのが、未来に向けて新しいことをしようとする意識が弱くなっている気がすることだよ。

これは、震災やコロナで社会や経済が混乱したことによる影響が出ているのかもしれない。

将来的なことに投資をしても、予測不可能な天変地異やパンデミックが起こればうまくいかなくなってしまう。

そんなリスクを実感して、何をするにも躊躇してしまうんだろうね。

千葉周辺で「スロースリップ」が…

確かに、震災の可能性は高まっている。

先日、消防関係の人たちと話したんだけど、日本列島はさまざまなプレートがちょうどぶつかっている地点に存在しているので、理論上はどこで地震が起きてもおかしくないらしい。

被害の大小はあるけど、日本に住んでいる以上は誰もが地震に備えるべきなんだよ。

最近では千葉周辺で「スロースリップ」(陸側のプレートと海側のプレートの境界がゆっくりとずれ動く現象)が起きていて、大きな地震が迫っている予兆ともいわれている。

千葉は人口も多いし、首都圏にも被害が及べば被災者の数も膨大になるから、災害救護や支援活動が思うように進まない。

だからこそ、都会に住んでいる人は自分で自分を守るという意識を持たなきゃいけない。

もし被災したときは、地方に疎開するなどの選択肢も考えておいたほうがいいだろう。

この間、NHKの番組で気仙沼(宮城)に行ってきたんだけど、10年以上かけて復興作業を続けてきて、ようやく津波が来ても耐えられるような整備ができたということだった。

それでも被害が大きかった地域には、なかなか住民が戻ってこないという問題もあるみたいだね。

今後はインフラを整えるだけでなく、復興後の地域社会をどうやって維持していくのかも考える必要がありそうだ。

少子高齢化や経済の縮小化など、日本社会の構造が大きく変化している。

災害対策や復興計画も、その未来を踏まえたものにしていくべきだよね。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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