菓子大手の明治が、53年の歴史を持つロングセラーキャンディー『チェルシー』の販売を3月末に終了すると発表。これを受け、瞬く間に店頭からは同商品が消え失せた。
同時に、メルカリなどのフリマサイトでは、150円相当の『チェルシー』が3000円以上で転売されるなど、ちょっとした騒ぎになっている。
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「同商品は、『あなたにもチェルシーあげたい』という少女のセリフで終わるCMが印象的で、中高年世代にも思い出の味として記憶されている。そのため、販売終了を機に転売騒動が巻き起こったのです」(食品業界関係者)
明治によると、販売終了に至った原因は「顧客の趣味趣向の多様化で売り上げが低迷したから」だと言うが、その変遷は近年特に顕著だったようだ。
砂糖を使った製品は苦戦
食品業界に詳しい評論家が指摘する。
「近年は飲料製品でも砂糖が使われたものは販売が低迷しており、なんらかの健康効果を謳わないと販売が伸びません。そういったトレンドから、砂糖の塊との印象が強い飴製品は総じて苦戦中。一方で、食感の楽しいグミ製品は人気で、チョコレートもカカオの健康効果を前面に出した商品は販売が伸びています」
また、ある経済評論家はこう分析する。
「報道によると『チェルシー』の売り上げは2002年に25億円あったものが、22年には5億円と5分の1に減ったとされている。もちろん、趣味趣向の多様化も要因の一つかもしれないが、多くの日本人が、キャンディーを含めた嗜好品などに身銭を切らなくなってきたという価値観の変化や、経済的背景もあると思われます」
理由はともあれ、『チェルシー』販売終了の知らせは、多くの日本人に「大切なものは、失ってから気付く」という思いにさせたことだろう。
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