『アダルトメディア年鑑2024 AIと規制に揺れる性の大変動レポート』イースト・プレス/3200円
安田理央(やすだ・りお)
フリーライター。アダルトメディア研究家。1967年生まれ。埼玉県出身。美学校考現学研究室卒業。主にアダルトテーマ全般を中心に執筆。特にエロとデジタルメディアとの関わりに注目している。本書は稀見理都氏との共編。
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――近年は「AI美女」が次々と商品化されています。今後は、実写と差別化されていくと思いますか?
安田 生成AIの技術の進歩スピードはすさまじいものがあります。数年後には、実写AVのかなりの部分にAIが侵食していくのではないでしょうか。例えばAV女優をAIでユーザーの好みにカスタマイズ(顔やバストの大きさなどを変える)というようなことが行われる可能性もあるでしょうね。またフルCG女優であれば、AV新法の影響を受けないというのは、かなり大きなメリットになります。そういった観点から今後、急速にAI・CG化が進む可能性は高いでしょうね。
――写真集業界も、急速に紙から電子へのデジタル化が進んでいますね。
安田 写真集はファングッズ的な意味合いが強くなってきていますので、そういう面で紙の写真集のニーズは無くならないと思います。ただ、価格はどんどん上昇していくと考えられますね。一方、ライトユーザーには電子書籍版が広まるでしょうね。
〝性の大変革期〟を徹底レポート
――日本も海外のように今後、「無修正」が解禁される可能性はあると思いますか?
安田 グローバル化の状況を考えると、「無修正」の解禁は必然なのですが、政治的な問題が絡むので難しいと思います。それを推し進めることにメリットを感じる政治家はあまりいないでしょうね。ただ、個人のPCで(いずれはスマホでも)モザイク破壊が簡単にできるような時代が来ると、修正の意味がよく分からなくなりますよね。
――最近は「同人AV市場」が人気になっているそうですね。
安田 AVに限らず、あらゆるジャンルで同人市場は、既存の市場と規模が逆転してきています。今後はその傾向がさらに進むでしょう。ただ、同人AVに関しては、逮捕者が続出するなど、締め付けも強くなると考えられます。それでも、超人気AV女優が多額の契約金で同人メーカーに引き抜かれるようなことがあったりすると、市場規模は一気にひっくり返るかもしれません。そうなれば、かつてビデ倫とインディーズの立場が入れ替わったときと同じ状況が起きるでしょう。いずれにせよ、ここ数年間で、アダルトメディア業界の勢力図に大きな変化が起きると考えられます。『アダルトメディア年鑑2024』は、性(エロ)の「現在」が分かりやすくまとめられており、2次元、3次元それぞれにわたるレポートは、将来的に価値が出てくるのではないかと自負しています。
(聞き手/程原ケン)
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