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【ヌマガレイ】青森県八戸市/馬淵川河口産「あの頃、一緒に竿を並べた八戸の皆さまは元気だろうか…」~日本全国☆釣り行脚

日本全国釣り行脚
日本全国釣り行脚 (C)週刊実話Web

夜が本番! まずはカレイを

厳寒期の北国は夜がアツい、ということで青森県は八戸に来ております。ちょっと早すぎる到着となり、時間潰しがてらに館鼻岸壁で竿を出したところ、トゲクリガニ、そして日没間際にはアイナメもヒット。なんやかやと楽しい釣りになった前回でした。


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さて、すっかり暗くなったので、まずは第一の本命、カレイを狙って馬淵川の河口へ移動することにします。竿を片付けていると、雪がちらほらと舞い始めた…と思う間もなくワーッと降ってまいりました。

すっかり冷えたことですし、移動の途中にある銭湯〝柳湯〟に立ち寄ります。市内の銭湯の多くがそうであるように、こちらも天然温泉。外は雪ですし、これからの釣りに備えて、体をしっかりと温めてから向かうことにしましょう。

銭湯を出ると一面うっすらと雪が積もっており、慎重に車を進めて馬淵川河口に到着です。1台も止まっていない公園の駐車場に車を止め、川沿いの遊歩道へと下りると、こちらにも先客はなし。雪の中、滑らぬように歩を進めて、川の出口付近から竿を出してみることにします。

かつて、カレイの投げ釣りクラブに所属していた頃、現地のクラブ仲間の案内にて、この馬淵川河口で夜ガレイを楽しんだことがありました。

15枚ほどの釣果に気をよくし、翌年もまた現地の仲間と共に竿を出したところ、湧きのよいシーズンだったのか、一晩夢中でやって終わってみればヌマガレイが100枚以上。雪の上で凍るカレイを4枚の大きなゴミ袋に分けて、よっこいよっこい持ち帰ったのも懐かしい思い出です。というか、そんなに釣ったのは今となっては反省すべきことでもあり、まさに若気の至りというやつですな。

思い出の釣場で 開始早々に魚信

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日本全国釣り行脚 (C)週刊実話Web

あれから約20年。果たして今でも変わらず釣れるのでしょうか。市販のカレイ仕掛けにエサのアオイソメをたっぷりと付けて軽くキャスト。着水と同時に着底。そうそう、初めて来たときはまだ経験も浅く「こんなに浅くて釣れるんかい?」と不安になったものでした。

あの頃、一緒に竿を並べた八戸の皆さまは元気だろうか…。ちょっとノスタルジーに浸りつつ竿先に付けた発光体を眺めていると、程なくククッとアタリが出ました。竿を煽ると結構な重量感で釣れたのは、20センチほどのヌマガレイです。

日本全国釣り行脚
日本全国釣り行脚 (C)週刊実話Web

下げ潮の河口域ゆえ、このサイズのカレイでも強い流れを受けて、結構な重量感になるのでちょっと期待してしまいます。とはいえ、さすがにこのサイズを持ち帰るのは忍びなく、ハリから外してリリースです。と、隣の竿が激しく揺れているではないですか。

すぐに竿を手に取り巻き上げると、先ほど以上の重量感に加えて、ぐんぐんと明確な手応え。そうよ、こういうのが欲しかったのよと巻き上げた仕掛けに着いていたのは、20センチほどのヌマガレイとでっぷりと肥えたウグイでした。

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日本全国釣り行脚 (C)週刊実話Web

いや、こういうのはあまり欲しくなかったです…。ウグイとヌマガレイをリリースし、エサを付け替えて再び投入。まあ、やっているうちにそこそこの型も釣れるでしょう。

いつの間にか雪は止み、誰もいない河口で静かにアタリを待つというのもなんともよい時間です。のんびりと待つうちにククンッと再びアタリが出ました。竿を持つと、これまた結構な重たさに「今度こそ良型のカレイを…」と、巻き上げにかかります。

変わらぬ魚影 本命一荷も

先ほどのウグイのように元気に走ることはなく、足下で突っ込む手応えを楽しみながらエイヤッと抜き上げると、30センチほどと20センチほどのヌマガレイのダブル。このポイントのアベレージは、25センチ前後ですから、まあ納得のサイズです。

大きい方はキープ、小さい方はリリースしてから再投入。続いて隣の竿を上げると、これまた程よい重量感で25センチほどのヌマガレイです。いやあ、たまらん。以前と変わらぬ魚影に嬉しくなります。

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日本全国釣り行脚 (C)週刊実話Web

このまま一晩中やり続ければ、40~50尾も釣れるのかもしれませんが、そんなに釣っても仕方ありませんし、食べきれません。ひとしきりヌマガレイの手応えを楽しみ、食べるには十分な量を確保。一旦竿を畳み、もう一つの本命である大型ハゼが狙えるポイントへ移動することにします。

さて、時にまずい、臭いなどといわれることのあるヌマガレイ。ですが、こと冬場の東北や北海道で釣ったヌマガレイでまずかったことはなく、むしろ総じて美味です。

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日本全国釣り行脚 (C)週刊実話Web

今回も煮付けと塩焼きでいただいたところ、どちらも美味しく、20年前、冷凍庫をパンパンにして、しばらくヌマガレイばかりを食べていたことを懐かしく思い出したのでありました。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子どもの頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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