2月6日、警視庁暴力団対策課は住宅ローン専門金融機関大手『SBIアルヒ』(東京・港区)から長期固定住宅ローン「フラット35」の融資金を騙し取ったとして、指定暴力団幹部や不動産仲介業の男ら5人を詐欺や有印公文書偽造・同行使容疑で逮捕したと発表した。
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奇しくもこの日は、NHKの火曜ドラマ『正直不動産2』でも、同ローンの融資用途変更による不正手口を題材にした内容が放送されていた。
そのため、事件はさらに注目される結果となった。
「逮捕と不正手口のドラマ放送回は偶然重なっただけでしょうが、フラット35は投資目的の借り入れはできないことになっている。にもかかわらず、これまでも年間何十件もの不適切利用が確認され、事件にもなっています」(アナリスト)
東京五輪前から首都圏ではマンション販売が好調だが、フラット35は独立行政法人「住宅金融支援機構」が民間金融機関と連携して提供する住宅ローンで、最長35年間金利が固定されることから人気が高い。
融資基準は、本人や親族が居住する住宅(セカンドハウスも含む)を建設、購入する人が対象。自ら居住しなかったり第三者に貸したり、また住宅の全部、あるいは一部を店舗や事務所として使用すること(用途変更)は認められていない。
仲介した暴力団幹部に手数料
ところが、会計検査院の2022年10月の調査で新たに不適切利用が56件も確認されているのだ。
冒頭の事件では逮捕された5人のうち、SBIアルヒの元社員で融資の審査担当だった男が同社の代理店を通じて、逮捕された別の男名義でフラット35の融資を申請。その後、健康保険証や企業の在籍証明書などを偽造して会社員であるかのように装い、SBIアルヒから融資金2780万円を騙し取っていたという。
「名義人だった男は、仲介した暴力団幹部に手数料を払っていた。暴力団の資金源になっているとみて、暴対課は捜査を進めています」(全国紙社会部記者)
被害に遭ったSBIアルヒのフラット35融資シェアは、22年度に25.2%で13年連続1位だった。
住宅ローン融資申請は〝正直〟であってほしい。
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