この治療法の選択は「最後のピースを補強する布石」ともいわれていた。
中日がドラフト1位ルーキー・草加勝投手(亜大)の「右肘内側側副靱帯の損傷」を発表したのは、1月16日だった。同日に開催された12球団監督会議に出席した立浪和義監督(54)は、「本人が一番残念な思いをしていると思います」と冷静に話していたが、内心は穏やかではない。
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「中日でドラ1投手が開幕前後に故障するのは、これで2年連続となりました」(名古屋在住記者)
問題は、出鼻をくじかれたことだけではない。故障の治療法が異なるのだ。
一般的にはトミー・ジョン手術だが、PRP治療が施されるという。PRP治療とは、自らの血液を採取し、特定成分を故障箇所に注入するもの。前例はあるが、日本球界ではあまり馴染みがない。過去にその治療を受けた投手といえば、楽天の田中将大(35)が思い出される。その田中は昨年末、推定年俸4億7500万円から2億円以上の大幅減額を提示され、かつ右肘のクリーニング手術を受け、契約更改していなかった。
「安樂智大元投手のパワハラ騒動に田中も加担したとされ、他のチームメートとの距離もできてしまいました」(スポーツ紙記者)
“補強終了”宣言まだしてない
先の大幅減俸を重ねて、こんな情報も聞かれた。
「田中の年俸が2億円台まで下がったことで、他球団は『獲得しやすくなった』とみていました。彼をめぐる状況も変わってきました。田中放出が、これまで否定されてきた理由は主に3つ。彼の人気、記録、カリスマ性です」(関係者)
日米通算200勝まであと3勝に迫っている。しかし、日本球界復帰後の成績不振と例の安樂騒動以来、人気とカリスマ性はガタ落ちになった。
「中日は新外国人選手の発掘のため、スタッフを現地入りさせましたが、良い知らせは届きませんでした。その流れで、元巨人の中田翔の獲得にシフトチェンジしたんですが、中日はまだ『補強終了』を宣言していません」(同)
外国人から国内選手にシフトチェンジした中日が、田中獲得に向け動いていたとの情報もあった。
「投手力は高いものの、若手も多く、一度連敗すると止まらなくなります。欲しいのは田中の経験値。今の田中の年俸なら、中日も獲得可能でしたが…」(同)
結局、田中は1月21日、推定で45%ダウンとなる2億6000万円プラス出来高で契約を更改。キャンプイン直前、立浪監督のサプライズは空振りに終わった。
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