今年は辰年。大相撲界では「昭和の大横綱」と称えられた優勝32回の大鵬をはじめ、「土俵の鬼」と言われた横綱初代若乃花、「猛牛」と恐れられた横綱琴桜、さらには大関の栃東、千代大海、琴光喜ら数多くの大力士、名力士が生まれた縁起のいい年とされ、ニューヒーローの出現が期待されている。
果たして、誰が今年の顔になるのか。初場所に綱取りを目指す霧島、1年を通して三役の座を守り通した関脇の琴ノ若、戻って来た元大関の朝乃山、幕下からの再起を目指す伯桜鵬ら、候補者にはこと欠かない。
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その中で関係者のひと際熱い視線を浴びているのが、幕下2場所、十両2場所という昭和以降3位タイのスピードで幕内入りした新入幕力士、西前頭15枚目の大の里(23、二所ノ関部屋)だ。
師匠も絶賛の立ち合い
日体大卒で2年連続アマ横綱に輝くなど、キャリアはピカイチ。石川県津幡町出身で、今年の元旦は震度7の能登半島地震に見舞われ実家も停電、断水するなどの被害を受けたが、大の里は「今年は年男。しかも、最初の場所に新入幕なのでこんなことになって悲しいです。初場所はなんとしても頑張って、石川に明るい話題を届けたい」とコメント。1月4日に茨城県阿見町にある二所ノ関部屋まで出稽古にやって来た大関経験者の朝乃山との4番取りでは、3勝1敗と勝ち越し大器ぶりを見せつけた。
しかも、大の里が勝った3番はいずれも立ち合いの圧力で上回り、相手十分の右四つになっても寄り切るなど圧勝、完勝ばかり。これには見守った師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)も「朝乃山との4番は、他の人との400番よりも意味がある」と絶賛し、まんまとしてヤラれた朝乃山も、「ボロ負けでした。うまいし、強い」と脱帽したほどだった。
「去年の名古屋場所、伯桜鵬があわや109年ぶりの新入幕優勝という活躍を見せましたが、フトコロの深さや、圧力では大の里の方が一枚上。初場所、110年ぶりの新入幕優勝も十分あり得ます」(担当記者)
今年は当たり年となりそうな予感。
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