年末に東京・池袋のデパート催事場で高齢女性の財布を盗んだとして、72歳のスリ常習者の女が窃盗容疑で警視庁の捜査員に現行犯逮捕された。年末年始の繁華街は人出も多いことから、警察当局も注意を呼びかけていた。
「池袋のデパートで逮捕された女は捜査員の間で『スリのたえちゃん』と呼ばれていた。東京都内で確認された昨年1月〜11月のスリ認知件数は450件で、前年同期比の1.8倍だった。コロナ対策が緩和されて以降、外国人訪日観光客が増えたのに加え、年末年始の人出でスリ被害が急増し、警察は警戒を強めています」(全国紙社会部記者)
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スリの手口で目立つのは財布から現金やクレジットカード類を抜き取り、カバンに戻す〝中抜き〟と呼ばれる手口。これは被害に遭ったと認知しづらく、自ら紛失したと思い込んで遺失物届を提出したり、カード会社や警察から連絡を受けて初めて被害に気がつくケースも多い。
「スリ犯は、何かに集中していて隙のある人を狙う傾向にある。被害に遭っても認知件数には表れない事案がたくさんあるはずです」(警察関係者)
コロナ禍は“冬の時代”
スリ犯にとってコロナ禍の3年間は、まさに〝冬の時代〟だった。昨年5月に新型コロナが感染症法上で5類に移行されてからは、街に活気も戻ってきた。
「人出でにぎわう年末年始はスリにとって一番の稼ぎ時です。年末は買い出しなどで大金を持ち歩いて繁華街に出かける人で溢れ返りますから。年始は初詣などで神社、仏閣に参拝客が押し寄せます。東京なら年末は上野のアメ横が有名です。年始は渋谷の明治神宮や台東区の浅草寺、江東区の成田山深川不動堂や富岡八幡宮…。警察も年末年始は特別警戒期間を設けて目を光らせていますが、スリ被害は後を絶ちません」(同)
スリ被害の防犯対策としては①貴重品は視界に入れておく②リュックやショルダーバックは、前に抱える③手提げバッグは中身が見えないように、上からタオルを被せるなどが挙げられる。
人混みにいる際は、スリに要注意。
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