12月20日、軽自動車国内販売トップメーカー『ダイハツ工業』が、34年にわたって車両認証試験(車両の安全性を確認する試験)の不正を行っていたことを発表した。不正は計174件、64車種に及び、ダイハツは全車種を出荷停止した。
「発端は今年4月、海外向けダイハツ車の衝突試験で用いたドアに、仕様とは異なる加工を施していたことが内部告発で暴露された。事態を重く見たダイハツは第三者委員会を発足させ検証してきた結果、ほぼ全車種の不正が発覚したのです」(自動車ライター)
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どんな不正か。例えば、エアバッグは衝撃をセンサーで探知し自動で作動すべきところを、タイマーで作動させ認証試験をパスさせていた。他にも数値の不正、手抜きなどの悪質な隠ぺい工作がゴロゴロあった。
「不正は2014年頃から急増した。その理由として考えられるのは、14年は軽自動車販売台数トップのダイハツがスズキに追い抜かれた年。業界の熾烈なシェア争いで新しい車種の短期開発を強いられ、現場に余裕がなくなった。また、16年にはトヨタ自動車の完全子会社となった。製造はダイハツ、販売ブランドはトヨタというOEM車種が急増し、親会社のトヨタから相当なプレッシャーもあったはず。トヨタもダイハツの不正は〝子会社がやったこと〟では済まされない」(自動車業界関係者)
世界へ広がる混乱…
トヨタ自動車グループでは不正行為が続出している。日野自動車は排ガスや燃費のデータ改ざん(22年)、豊田自動織機のエンジン不正(23年3月)、愛知製鋼の規格外鋼材の出荷(23年5月)などなど…。
帝国データバンクによると、ダイハツの取引先企業数は約8100社、関連売上高は年間2兆2110億円に上る。
「ダイハツ側は、街中を走るダイハツ車は不正が原因の事故もないので安全性は問題ないとしているが、不正がこれだけ暴露されれば、ユーザーも〝はい、そうですか〟とはならない。今後、国内販売、海外輸出など『ダイハツ・ショック』は世界へ広がるでしょう」(経営コンサルタント)
世界の〝不正トヨタG〟。
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