日本最大の面積と貯水量を誇る〝近畿の水がめ〟琵琶湖(滋賀県)が危険水域に突入した。今秋、台風が上陸せず雨量が少なくかった影響で水位が低下。年末年始の取水制限は避けられそうにないうえ、琵琶湖のシジミ漁にも影響を及ぼしているという。
「琵琶湖の水位は12月10日時点で基準水位よりマイナス73センチも低くなった。滋賀県の三日月大造知事は11月末に『これ以上、下がると年末年始にかけて取水制限につながる可能性がある』とし、県民に節水を呼び掛けています」(在阪フリーライター)
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琵琶湖水系だけに棲む固有種の「セタシジミ」漁も大打撃を被っている。
「セタシジミは今がシーズンなんですが、水位が下がり小さいシジミが死んでいる。シジミの栄養となるプランクトン不足で生育しないんです」(漁業関係者)
県北部の長浜市では琵琶湖岸近くに浮かぶ小島・奥の洲が陸続きになった。地元ではモンサンミッシェル(フランス)や天橋立(京都)に似ているとして話題になっているが、県民生活でいえば〝水不足〟を含め、各方面に影響が出ている。
湖面に石垣が現れた…
「一部の港湾や漁港などでは水面の高低差が大きくなり、船の乗降や荷物、漁獲物の積み下ろしに支障をきたしている。水位低下で水草がからまるという航行障害も報告されています」(前出・在阪フリーライター)
近畿地方のダムも少雨で貯水率は平年を大きく下回っている。近畿地方整備局によると、京都府南丹市にある桂川流域の日吉ダムは11月4日に貯水率低下で20%の取水制限(12月6日から30%に強化)、兵庫県川西市にある猪名川流域の一庫ダムでも11月7日以降、20%の取水制限を実施している。
琵琶湖の水位低下を含め、水不足がすぐに解消するようなまとまった雨や雪は期待できそうにない。
戦国武将の明智光秀が築いたとされ、普段は琵琶湖の水面下に沈んでいる坂本城跡(大津市)の石垣が湖面から姿を現した。県民にとって取水制限は深刻な問題だ。〝三日〟ではない恵みの雨に期待したい。
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