「アルシンドになっちゃうよ!」のCMで一世を風靡したアデランスが、売り上げ好調だという。かつては国内屈指のかつらメーカーだったが、眉毛ケア専門店や美容家電事業に進出、20〜30代の女性層の囲い込みにも成功し、トータルヘアソリューション事業を国内外に展開。2023年2月期の売上高(連結)が過去最高となる860億2700万円を突破した。
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「コロナ禍は外出自粛の影響でウィッグや増毛などの事業は需要が落ち込みましたが、空いたレディスアデランスの個室ブースを活用し、店舗内に眉毛のケアサロン『ビューステージ アイブロウサロン』を開業。眉のワックス脱毛と美眉スタイリングが60分8000円と手頃で女性客に人気なのです」(経済紙記者)
たかが眉毛と思われがちだが、顔の印象を左右する眉毛を骨格や目の形に合わせて整えるとプチ整形級のあか抜け効果が得られる。おかげで、今では男性客も増えているそうだ。
低迷期も長かった…
また、同社は70年代から海外進出。M&Aを主体に店舗数を伸ばしてきたが、今期は円安の影響もあり売上高の約57%を海外事業が占めているという。
「海外にもウィッグメーカーは多数あるが、日本トップクラスのきめ細かな技術には及ばない。そのため、海外でのかつらや増毛事業は順調で、加えて育毛機器などの売れ行きも好調なのです」(同)
もっとも、今でこそ業績良好なアデランスは混迷期も長かった。業績の不振から09年には大株主の米投資ファンドと経営権をめぐり対立。創業者が追い出されたが、17年に別の投資会社の支援で経営権を取り戻した経緯があったからだ。
「ただ、このときの教訓が生きている。守りではなく果敢に業態を美容事業へと広げ、アンチエイジングを担う企業へと転換したのです」(経済評論家)
まさにケガの功名と言えるかも?
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