戦後、日本で庶民を悩ませたトコジラミ(別名・ナンキンムシ)。フランスや韓国ではトコジラミ・パニックが起きており、訪日外国人観光客の増加で再び国内での増加が危惧されている。
「戦後、しばらく経って殺虫剤の普及や生活環境の改善でトコジラミは絶滅寸前まで駆除が進んだんですが、約10年前から殺虫成分に耐性を持つ〝スーパーナンキンムシ〟が現れた。トコジラミの体長は5〜8ミリほど。主に屋内に生息して人や物に付着しエリアを拡大する。夜行性で日中は布団や枕の中、家具、カーテンレールの隙間、ベッドルーム、マットレスなどに潜んでいる。夜になると活動を開始し、就寝中の人の血を吸うんです」(住生活アナリスト)
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刺されたときは痛みはないが、通常、48時間以内に寝られないくらいの激しい痒みを伴い、人によってはじんましんの症状が出ることもある。トコジラミの刺し傷は1〜2週間ほど経って消えていくのが特徴だが、その間、しつこい痒みが持続する。眠れず、不眠症やノイローゼになる人もいるというから厄介だ。
海外からの荷物と一緒に…
「フランスでは9月ごろからパリなど各都市でトコジラミが大量発生。駆除するため、各地で学校の休校が相次いたほどです。公共機関やホテル、劇場などが消毒のために閉鎖されるフランスでは、トコジラミ・パニックと呼んで社会問題にまで発展していますよ」(外信部記者)
お隣、韓国でも住宅密集地にトコジラミが大量発生した。11月13日から『4週間の防疫期間』として予防対策が実施されている。
「トコジラミを〝ビンデ〟と呼ぶ韓国ではパンデミックと組み合わせ〝ビンデミック〟という新たな造語も。フランスも韓国も、大量発生の原因はインバウンド観光客の増加、国際宅配便の活発化、殺虫剤への耐性とされます。訪日外国人観光客は5カ月連続で200万人を突破。トコジラミは訪日外国人の荷物に付着して持ち込まれるケースが多く、駆除依頼は増加傾向にある」(海外旅行アテンダー)
年末の大掃除は、トコジラミを駆除するのにいい機会かもしれない。
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