新型コロナウイルスの影響を受け、2カ月遅れでスタートした吉沢亮主演のNHK大河ドラマ『青天を衝け』が、初回世帯視聴率20.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出した。前作『麒麟がくる』の初回視聴率19.1%を上回る結果に、局内はお祭り騒ぎになったという。
「初回視聴率が20%超えを記録したのは2013年に放送された『八重の桜』の21.4%以来の快挙です」(関係者)
実は、『青天を衝け』の下馬評は散々なものだった。扱っている時代が鬼門中の鬼門と言われる明治維新。かつ、一般視聴者にはあまり馴染みのない渋沢栄一を主人公にしたためだ。
さらに、NHK上層部を心配させたのが『青天――』を巡る莫大な制作費だ。群馬県安中市内の広大な敷地(東京ドーム5個分)を貸し切り、ハリウッド顔負けの豪華セットを造ってしまったのだ。
「セットの費用だけで計5億円以上もかかっているんです。地権者の了承を得て野山を盛り、木や花を植え、畑やあぜ道まで再現してしまった」(制作関係者)
実際に『青天――』のオープニングシーンでドローンで撮影された映像には、民放関係者が度胆を抜かれたそうだ。
「埼玉県深谷市に実在した血洗島村の映像ですが、あの迫力は絶対にCGでは作れない質感です。他局のドラマ制作陣や役者陣は垂涎の的であのシーンを眺めていた。早速、ロケ地に関しNHKに問い合わせが殺到しています。受信料の関係もあるので、いずれは期間を作って一般視聴者に公開することになると思います。5億円を投入しただけの価値はありますね。実に見応えのある映像だった」(他局プロデューサー)
莫大な製作費は『麒麟がくる』のおかげ!?
今回、NHKが初回部分でしか使用されないオープンセットに莫大な制作費を投入できた理由は、前作の『麒麟がくる』のおかげ。コロナ禍で当初の50話想定が44話に減ったこともさることながら、
「合戦シーンなどロケものがコロナ感染のため、ほとんど撮影できずナレーションで処理されたんです。結果、NHK内のスタジオ撮影が増え、最終的に予算に余剰金が出たんです。当初、沢尻エリカの降板騒動やコロナ禍で制作費が一時的に1本当たり1億5000万円~になったこともあったが、ならしてみたら1億円以内に収まった。『麒麟――』の制作費余剰金+放送が2カ月以上も遅くなったことで、安中市のセットに化けたんです」(制作関係者)
ちなみに、『青天――』は1本当たりに平均すると制作費1億2000万円超えの規模とか。どこまで高視聴率を維持できるか見モノだ。
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