今週は『マイルCS』を取り上げます。
《馬場傾向》
秋の京都連続開催15日目でCコース使用2日目。馬場の内側が傷んでおり、最後の直線で中、外から差す馬が有利の馬場。
《ペース傾向》
このレースが行われる京都外回り1600メートルの舞台は、前半2F目過ぎから3角の頂上を目指して坂を上って行くコース。このため前半のペースが上がりにくく、過去10年の平均前半3F46秒52-後半3F46秒33と前後半差がない。また、コース形態から極端なスローペース、ハイペースになったことは一度もない。
【関連】JRA重賞『エリザベス女王杯』(GⅠ)美人競馬研究家・山崎エリカの「負けない馬券」 ほか
《脚質傾向》
過去10年で逃げ1勝、先行3勝、中団3勝、差し1勝、追込2勝。ペースが平均化しやすいレースだけあって、どの脚質でも有利不利なく通用している。ただし、馬場の影響もあり、逃げ馬の3着以内は、同年のスプリンターズSで2着のミッキーアイル(1着、’16年)のみとなっている。
このレース向きのジャスティンカフェに期待!
★ジャスティンカフェ
一昨年の東京芝1600メートルの3勝クラス・湘南Sでは、出走メンバー中上がり3Fタイム断トツの末脚で重賞級の指数を記録した馬。その瞬発力は本物で、その後の毎日王冠2着、ダービー卿CT2着、そして今年6月のエプソムCでは完勝を決めた。前走の毎日王冠では前有利の展開で、出遅れて進みも悪く、後方ポツンの競馬で能力を出し切れなかった。結果的に始動戦で目いっぱいに走らなかったので、余力残しで本番に向かうことができる。脚質の観点からも毎日王冠よりも外差し馬場のこのレースが向いている。ここで本領発揮を期待する。
★シュネルマイスター
3歳時にNHKマイルCを優勝し、その後はマイルCS2着、安田記念2着など、芝マイルのGⅠで実績のある実力馬。今年に入ってもマイラーズCを優勝し、安田記念3着と衰えを見せていない。前走の毎日王冠では最内枠からやや出遅れて、後方馬群の後ろからの追走。最後の直線では前が壁。ラスト2Fで位置を下げて外に出し、後方2列目から一気にハナ+ハナ差の3着まで追い込んだ。最後の破壊力が素晴らしく、負けて強し。今回は得意の芝マイル戦。外差し傾向の馬場ならば当然有力。
★イルーシヴパンサー
一昨年の東京新聞杯、今年の京都金杯を優勝しているように芝のマイル戦は得意。一昨年の東京新聞杯を優勝した直後の安田記念では1番人気に支持されたが、やや出遅れて後方からの追走で、3角で包まれ、4角で外にも出せず、直線で外に誘導していくがラスト2Fでも最後方列で8着に終わった。しかし、スムーズさを欠いたここで出走メンバー最速の上がり3Fタイムを記録しており、瞬発力はかなりのものを持っている。前走の富士Sでは積極的に出して、好位の外目でレースを進めて4着に善戦。末脚型の本馬が先行して大崩れしなかったことに好調さを感じさせられた。得意の末脚勝負で前進に期待。
山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式ツイッター=@_yamazaki_erika.
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