ミュージシャンのDAIGOの祖父として知られ、絶頂期の田中角栄元首相に弓を引き、トップに駆け上がった竹下登元首相(2000年死去、享年76)。
その生家〝総本山〟の造り酒屋『竹下本店』(島根県)が、後継者不足などで150年以上続いた歴史に幕を閉じることになった。
「本来、長男として酒蔵を継ぐはずだった竹下元首相は、政治家になった後も竹下本店とは深いつながりがあった。『酒屋と政治は無関係』が竹下元首相の口癖だったが、裏で竹下政治を支えてきたのが竹下本店。例えば、竹下さんが政治の道への足掛かりとなった1951年の初の県議選では、不利といわれながら『竹下本店』の金庫がカラになるほどのカネの力でトップ当選を果たした。国政進出後、お父さんが亡くなったときは竹下家に田中角栄元首相が派閥議員69人を引き連れて訪れ、町中が大騒動となったほど」(地元関係者)
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また、竹下元首相が約5年間務めた大蔵相(現財務相)時代には、予算編成作業で残業する大蔵省職員へ陣中見舞いとして竹下家の酒『出雲誉』を差し入れることが恒例となり、大きく報道された。87年に竹下氏が首相に就任すると、全国から『出雲誉』を求める電話が殺到したという。ピーク時には売上高約3億円(88年)を記録した。
特別清算開始命令が…
竹下元首相の死後は弟の亘氏(元自民党総務会長)が地盤を継いだが、亘氏も21年に死去した。そうした影響もあり、竹下本店はさらに規模を縮小。後継者を模索したが、適任者がいないことも重なり結局、21年にはピーク時の10分の1、2300万円程度まで売り上げが激減した。
負債額は21年9月期末時点で1億1700万円。10月16日付で松江地裁から特別清算開始命令を受けた。
「DAIGOの顔をあしらった日本酒商品も人気だったため、一時は政治家と竹下本店の後継筆頭候補に彼の名前が挙がったのは事実。ただ、DAIGO夫人で女優の北川景子の人気と、子どもの教育問題もあるため、DAIGO後継者説は立ち消えになった。竹下本店消滅は一抹の寂しさがありますね」(島根県議)
竹下王国復活〝ウイッシュ〟?
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