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JRA重賞『エリザベス女王杯』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

秋本鉄次
秋本鉄次(C)週刊実話Web 

まさに1頭だけ次元が違う、と今回も書いてしまうほど、みやこSを3馬身差でフイニッシュしたセラフィックコールは強かった。先週「唯一の3歳馬だし狙い目は十分だが、何せデータがあまり良くない。JRA所属外国人騎手では、ルメールに成績で随分差を付けられた感じ(のデムーロ)だが、ここらで意地を見せてほしい」と書いたが、その心配をヨソに無傷の5連勝で楽々重賞突破だもの。久々にデムーロ、ここに在り。次の挑戦はGⅠだろう。

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さて、レースの2着は幸メイクアリープ、3着は坂井ウィリアムバローズとなった。私の予想は最後に『⑮から馬連のみ①⑦⑨へ』として、やっと馬連的中したが、1310円の配当ではトリガミであった。金曜にJBCスプリントで負傷した岩田望騎乗予定のアイオライト(横山典に変更)を急遽やめて、メイクアリープに変更すりゃよかったなあ(3連複2590円)、と思っても後の祭りだ。まあ、たとえガミでも、戻りが在るだけマシと思おう。

本気で買うのは、今週の牝馬GⅠエリザベス女王杯! 〝牝馬の鉄〟と自称するからには、当てねばならない。今週は、海外渡航で不在のルメール大将と川田がJRAのターフに戻り、この〝エリ女〟で前者はブレイディヴェーグ、後者はハーパーに騎乗する。ともに有力馬で、昨年に続く連覇がかかるムーア騎乗のジェラルディーナとともに、上位人気は確実。この中で最も重要視するのが、ハーパーだ。今年の3冠すべてにルメールが騎乗し4、2、3着とあと一歩でGⅠに届かなかった。彼がこちらではなく重賞未勝利のブレイディヴェーグをチョイスし、なおかつ〝勝ちます〟宣言をしたことで、人気が増すかもしれない。

菊花賞でも重賞初挑戦のドゥレッツアを勝たせた〝ルメール・マジック〟が炸裂するのか、と思いながらも、一方の川田も2月のクイーン」でハーパーを重賞勝利に導いているのだから〝心配ご無用〟と言おう。軸は、やっぱり川田の馬を選ぶ。ところで、今秋のGⅠ4鞍のうちこの2人で2勝ずつ。競馬のオールド・ファンなら分かるだろうけど、その昔、「重賞では岡部と増沢、買っておきゃイイ。今週も二人の世界だよ」と言われた時期があったが、今やルメールと川田の〝二人の世界〟? その中で、最内枠のルメールより3番枠の川田を優先させただけのこと。リーディング争いでは5勝の差を付けられた川田が、今週は黙っちゃいない⁉

“映画連想馬券”の本命はハーパー

相手は当然、ブレイディヴェーグが一番手。3歳牝馬2頭で決まる可能性は大いにある。今秋のGⅠは1番人気が必ず馬券圏内に来て、3着までは6番人気止まりで収まっている。今回も、荒れると思わせて、さほど荒れないのでは? と思う。他では、今週はデムーロがGⅠで意地を見せるのか、とデヴィーナ。このレースと相性の良い府中牝馬Sを勝っているのも好材料だ。同じ府中牝馬S2着の松山ルージュエヴァイユも、3着の戸崎ライラックも外せない。ジェラルディーナは今年不調だが、今回は父モーリスに乗って好成績だったムーアを鞍上に迎えてだけに無印にはできない。坂井アートハウスも買いたいところだが、骨折明けではキツいか。

さて〝映画連想馬券〟だが、我が本命のハーパーから『ハーパー探偵シリーズ 新・動く標的』(75年)を選びたい。原題が〝ハーパー〟だった『動く標的』(66年)に引き続き、ロス・マクドナルド原作の一匹狼の私立探偵ハーパー役(原作では姓はアーチャー)はもちろんポール・ニューマン。今年で没後15年になる。私はアメリカのスター男優の中で3指に入るほどファンだった。今回は富豪の老婦人殺害事件を追うサスペンス。ブルジョワ一族にありがちな醜く堕落した世界を目の当たりにして絶望感を抱きながらも、情も忘れないニューマンの渋い演技が何とも素敵だ。富豪の息子の妻をニューマン夫人でもあったジョアン・ウッドワードが扮し、退廃的な少女を、のちに『ワーキング・ガール』(88年)などでブレイクするメラニー・グリフィスが演じている。牝馬のGⅠだけに、女優にも注目しよう(いつもか)。

買い目は③から①②⑥⑦⑪への馬連&3連複! ①から②⑥⑦⑪へ同じく馬連&3連複。いずれにしても、今週は力が入る!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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