将棋の「竜王戦」七番勝負で10月26日、藤井聡太八冠(21)が挑戦者・伊藤匠七段(21)との第3局に勝利し3連勝。タイトル防衛に王手を掛けた。
「八冠達成後の初タイトル戦なので、プレッシャーもあるかなと思っていたんですが、そんな雰囲気はまったく感じられませんでした」(スポーツ紙記者)
だが、今回のタイトル戦では、これまでとは異なる姿も見られた。
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「第3局初日の同25日午後、藤井八冠は1時間43分もの長考の末、午後6時になって44手目を封じ手に。長考自体は珍しくありませんが、近年の藤井八冠にはあまり見られませんでした」(前出・同)
「封じ手」とは日を跨いで対局するときに、その日の最後の一手を紙に記入し封筒に密封すること。再開までの間、手番側に考える時間を与えると不公平になるため、その封筒を立会人に渡さなければならない。
「待つ側も相手がどんな一手を打ってくるのか分からないので、日付を跨いだ心理戦となります」(専門誌ライター)
「巌流島の宮本武蔵」作戦
また、翌日の対局でも藤井八冠は新たな動きを見せた。対局は午前9時スタートのため、伊藤匠七段は15分ほど前に入室したが、藤井八冠は余裕しゃくしゃくで遅れて入室。100分超えの長考の次は、「巌流島の宮本武蔵」めいた戦術をみせたのである。
「意図的に相手を揺さぶろうとしたのではないと思いますが、完全に藤井八冠のペースでした」(同)
続く10時のおやつタイムには、クッキーをパクリ。食事やおやつに何を選ぶかは棋士それぞれで、対局中に飲むお茶の音さえ響く〝静寂さ〟を意識して咀嚼音の少ないメニューを頼む者もいれば、対局地の名物を頼んでPRに貢献する棋士もいる。ここでも藤井八冠はマイペースだった。
「選んだおやつは対局地の北九州市全7区をかたどったクッキー。周囲の期待も大きく昼食は少なめだったようですが、堂々と対局地をPRしたのです」(同)
精神的にも強くなった藤井八冠。注目の「竜王戦」第4局は11月10日と11日に行われる。
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