プロ野球・東北楽天が10月17日、今江敏晃監督(40)の就任を発表した。打撃担当コーチからの昇格であり、地元ファンも新体制に好意的だ。
「今江コーチの23年シーズンは激動でした。チームの借金が2桁に膨らんだ5月下旬、二軍担当から一軍に配置換えされ、チーム打率2割1分台だった打線のテコ入れを命じられました。今江コーチが一軍にきて、2割6分台まで上がったのは事実ですが、こんなに上がったとなると、他に理由があったんじゃないかと…」(地元メディア)
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前半戦は大敗続きで、ベンチの雰囲気も悪かった。しかし、今江コーチは得点の好機になると、打順がまわってきた選手を後ろから抱き、耳元でアドバイス。そんな選手思いの言動が監督昇格へとつながったのだろう。
しかし、監督就任と同時に新たな懸念材料もささやかれるようになった。今江監督は、PL学園の出身だ。
「PL学園は甲子園の常連校であり、一時代を築いた強豪校でした。80人以上のプロ野球選手を輩出しましたが、PL出身の監督は意外と少なく今江監督で5人目です」(スポーツライター・飯山満氏)
「チームは家族」
来季、PL出身監督は3人となる。中日・立浪和義監督(54)と埼玉西武・松井稼頭央監督(48)だ。松井監督は今季、日本ハムと最下位争いをし、立浪監督に至っては言うに及ばず。
また、これも意外だが、PL卒で最初のプロ野球監督は、10、11年に横浜を指揮した尾花高夫氏。それまではいなかったのだ。2人目は18年途中から楽天で代行を務めて昇格した平石洋介(現西武コーチ)。コーチは何人もいたが、トップの監督は本当に少ない…。
「PL学園は上下関係が徹底していました。礼節は大事ですが、今の野球界に合わないのかもしれません」(ベテラン記者)
今江監督は前述の好機助言のように、言動は常に選手思いで声を荒げたことは一度もないとされる。
「今江監督がドラフト指名された01年、野球部は暴力事件で半年間の活動停止処分を受けています。今江監督は当事者ではありませんが、そんな辛い思い出が選手思いの指導につながったんでしょう」(関係者)
今江監督は就任会見で「チームは家族」とも語っていた。ロッテ・バレンタイン元監督を模倣するそうだが、行き過ぎた上下関係を体験したことも影響しての発言だろう。「PL出身監督は勝てない」の定説も覆してもらいたいものだ。
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