今週は『天皇賞・秋』を取り上げます。
《馬場傾向》
Aコース→Bコース替わりで、馬場が高速化。昨年は超絶高速馬場だった。また、このコース替わりにより中目より外が伸びる。
《ペース傾向》
過去10年の良馬場時で5F通過が最も速い年で57秒4、遅い年で60秒8。向正面の距離が長いので、展開の振れ幅が広いが、2014年以降はかなりスローペースの傾向。
《脚質傾向》
87年のニッポーテイオー以来、35年間も逃げ切りが決まっていない。基本的には末脚型が圧倒的に有利の舞台。しかし、10年以上前は5F通過が57秒台が当たり前で56秒台が出る年もあったのに、近年はかなりスローペースになる傾向。このため過去5年で逃げ馬の2着が1回、3着が2回と善戦している。逃げ切りが決まる日も、そう遠くはない。
【関連】JRA重賞『菊花賞』(GⅠ)美人競馬研究家・山崎エリカの「負けない馬券」 ほか
末脚を存分に活かせる舞台でダノンベルーガに期待!
★ダノンベルーガ
昨秋の天皇賞の3着馬。同レースでは中団の最内から、向正面で中目に出して3角に入り、4角中目から直線へ。大半の馬が上がり3F33秒半ばという状況下で、イクイノックスに次ぐ上がり3F32秒8という抜群の末脚を見せた。一方、前走の札幌記念は中団の中目から向正面で馬場が悪化した内に入れ、そこから上がって行く競馬で4着に善戦。前走まで末脚を活かす競馬ばかりしてきた本馬が積極的な競馬で善戦したことは価値が高い。ライバルたちは休養明けに対して、夏場を使われた強みもある。末脚を存分に活かせる舞台で期待。
★ジャックドール
今春の大阪杯の勝ち馬。同レースでは「2番手でもいいよ」というスタンスでじわっとハナ主張し、向正面でペースを引き上げての逃げ切り勝ち。昨年の金鯱賞でも向正面からペースを引き上げていく形で、とても強い勝ち方をしている。前走の札幌記念はトップスタートを切りながらも、馬場の悪化した内を通すことを嫌って、外に誘導しながら他馬に行かせての先行策。稍重で馬場がタフな状況下で3〜4角で外から押し上げるロスも生じ、直線で苦しくなって失速した。本馬は前々走の安田記念で超絶高速馬場も意外とこなせており、すんなり先手を取れそうなここは怖い。
山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式ツイッター=@_yamazaki_erika.
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