今年の締めの大相撲九州場所(福岡国際センター、11月12日初日)まであと半月あまり。力士たちの調整にも熱が入ってきているが、もう一つ、注目されるのが親方たちの動向だ。
来年1月の初場所後に2年に一度、日本相撲協会の中枢を担う注目の理事選が行われる。これまで表面上は静かだったが、九州場所に入ると、一門会や同期会、あるいは福岡名物の赤い灯、青い灯の下の飲み会などが頻繁に開かれ、親方たちの動きが慌ただしくなる。
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今回、注目されるのはまだ引退して2年あまり、部屋を継承して1年ちょっとにしかならない伊勢ケ浜一門の宮城野親方(元横綱白鵬、38)の動向だ。理事に立つのはまだ早すぎると見られていたが、今年の夏場所前の一門の懇親会で「理事に立候補したい」と意欲を見せたのだ。
「同一門は、これまで理事だった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が去年末、弟子の暴力事件で理事を辞任し、現役時代に人気のあった浅香山親方(元大関魁皇)が役員待遇に引き上げられ、後継者と目されています。そこに優勝45回など、実績は群を抜いている宮城野親方が割って入ってきたのだから、一門ばかりか大相撲界は騒然となりました」(大相撲担当記者)
モンゴル系親方らの票集め…
伊勢ケ浜一門は小派閥で、理事1人を当選させるのがやっと。しかし、宮城野親方は「一門の推薦を得られなくてもいい」と漏らし、貴乃花親方のように一門外のモンゴル系親方たちの票を糾合し、乱を起こす意向すらニオわせたという。
そうなると、波紋は他の一門にも及ぶ。果たして、宮城野親方は類を見ない現役時代の実績と人脈、蓄えた豊富な資金をバックに理事選に打って出るのか。
「ただ、周囲の反応は冷ややか。引退時、先輩親方の指導を聞くなどという誓約書にサインした経緯もある。また、日の出の勢いだった弟子たちも、伯桜鵬が肩の故障で十両落ち必至だし、輝鵬もケガで幕下に転落確実で低迷傾向。『ここはいったん立ち止まって弟子育成に取り組むべし』の声もあります」(一門関係者)
〝白鵬の乱〟に注目だ。
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