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JRA重賞『菊花賞』(GⅠ)美人競馬研究家・山崎エリカの「負けない馬券」

山崎エリカ
山崎エリカ(C)週刊実話

今週は『菊花賞』を取り上げます。

《馬場傾向》
秋の京都開幕週は、雨の影響で時計を要していたが、回復すれば超高速馬場が予想される。芝3000メートルとなると、よほど馬場の内側が悪化しない限り、ロスなく立ち回れる内が有利である。

《ペース傾向》
全頭が初めての長距離となるために、2週目の3角まで脚を溜めることが大半。このため平均ペースよりも遅い決着となっている。ハイペースになったのは、過去10年で2017年と22年の2回。17年は歴代屈指の極悪馬場で、3200メートルでも遅いレベルの走破タイムで決着しており例外と言える。特に近年のほうがペースが遅くなっている傾向があり、今年も良馬場ならスローペースが予想される。

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《脚質傾向》
長距離戦らしく、過去10年で逃げ馬の3着以内は1度のみ(13年のバンデ3着)だが、17年を除くと、3角10番手以内の馬が優勝している。10番手で優勝したのは15年のキタサンブラックだが、この年は捲り馬の発生で同馬の3角の位置が下がったもの。馬群凝縮による位置取りであり、そこまで先頭から離された位置ではなかった。3角で中団位にいないと勝ち負けは厳しい。

春の実績馬たちに劣る面は何もないドゥレッツァ

★ドゥレッツァ
4連勝中の上がり馬。6月東京のホンコンJCTでは超絶スローペースで、ラスト2Fは11秒2-11秒2の流れを強烈な末脚で差し切った。上がり3Fタイム32秒7は同日に行われた安田記念で鬼脚を見せたシュネルマイスターの32秒8を上回り、記録した指数は前週に行われた日本ダービーでも上位入線に値するものだった。前走の日本海ステークスも前有利の流れを差しきり、記録した指数は神戸新聞杯と同等なもの。春の実績馬たちに劣る面は何もない。4月の遅生まれでキャリアも浅く、まだまだ伸びる。

★パクスオトマニカ
デビュー2戦目となった新潟未勝利戦を逃げて5馬身差の圧勝。潜在的なスタミナが相当なものであることを感じさせた。その後の若竹賞でも逃げて3着馬に4馬身差を付け完勝。プリンシパルステークスも逃げて勝利した。ダービーでは一つ内の馬がスタート直後に落馬し、巻き込まれて後手を踏んだところから無理やりハナを奪いに行き、後続を引き離す逃げ。リズムの悪い逃げでスタミナが持たず崩れたが、見せ場は十分だった。前走はダートで前に行けず度外視できる。マイペースの逃げならば粘り込みも。

★リビアングラス
デビューから3戦2勝で迎えた京都新聞杯では、逃げて自らレースを作り3着。上昇度と距離延長に対する適性の高さを感じさせた。前走の阿賀野川特別では古馬と初対決。休養明けでスタミナ切れが懸念される一戦だったが、緩みないペースを自ら刻んで逃げて堂々の勝利を飾った。このレースは、潜在的なスタミナの豊富さを裏付けるものだった。また、後続にしっかり差をつけてのなかなか優秀な指数での勝利で、成長力も感じさせた。

山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式ツイッター=@_yamazaki_erika.

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