JRA重賞『秋華賞』（GⅠ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

いやぁ～、馬券が的中するって本当にイイもんですねえ。それも久々に馬連＆3連複のWゲットでニッコリの毎日王冠でありました。「軸はシュネルマイスターで決まり。当然、強敵は、戸崎ソングライン」と記した先週、2、1番人気のこの2頭はハナ差の激戦、わずかにソングに先着されたシュネルであったが、そのまたハナ差先に4番人気の西村淳エルトンバローズがいて優勝をさらわれた、というオチが付いてしまった。

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このレース、実はヒヤヒヤもん。直線でもう無理か、というような位置から、ソングは馬群を割って、シュネルは大外から猛然と伸び、馬券圏内に突入という綱渡り状態。いやあ、ホッとした。本心を言えば、馬連は2着シュネルのほうが良かったのだが（2000円以上付いたので）、先週の買い目で記した「シュネル3着の万一を考えてソングからも押さえて」で正解だった。馬連1560円、3連複1130円では大した額ではないが、増えたのだからヨシ。とりあえず、愁眉は開いた。さあ、ここから反転攻勢だぁ～！

で、攻勢第1弾は〝3歳牝馬3冠〟の最後の関門・秋華賞。ここの軸は簡単、小学生でも判るっていうものだ。すでに桜花賞、オークスの2冠に輝いたご存じ川田リバリティアイランドでしょ！　もはや〝3冠馬誕生〟は既成事実であるかのようだ。ヒネクレ者の私でも逆らえない。

オークス2着のルメール大将騎乗のハーパーに6馬身差というのは決定的で、淀の2千が不利になるとも思えない。先日、20年に〝牝馬3冠〟に輝いたデアリングタクト引退の報があったばかりだが、リバティアイランドが堂々たる勝利で〝新・3冠馬〟になる確率は高い。枠順も内すぎず外すぎずの3枠6番なら文句なし。このリバティアイランドとルメール大将のイクイノックスは、しばらく国内では負けるイメージがない！　と言いたい。

トリガミも覚悟だが、相手は6頭。6馬身差は決定的だが、オークス2着を認めてルメール大将ハーパー。あとはキタサンブラック産駒のオークス出走組を優先し、6着の横山武ヒップホップソウル、7着の鮫島駿コナコースト、14着は負けすぎだが、唯一リバティアイランドに先着している坂井瑠ラヴェルをもう一度だけ。

前哨戦・ローズステークス勝ちの岩田望マスクトディーヴァが今度は人気になりそうで妙味がないが、非オークス組ではこの馬と紫苑ステークス勝ちの横山典モリアーナぐらいか。オークスを超人気薄で3着した斎藤新ドゥーラは、札幌経由が気に入らない。ご贔屓・松山のグランベルナデットは紫苑ステークス10着では、さすがに足らんか。

“映画連想馬券”の本命はリバティアイランド

こうして川田、ルメールが話題に出たところで、お約束とも言える恒例のリーディング争いである。こればっかや（苦笑）。川田が広げた差を、ルメール大将が先週アッと言う間に追い越した。川田は珍しいことに土日でボウズ（代わりに息子の純煌君がジョッキーベイビーズを優勝。騎手志望だから、いずれ横山親子、岩田親子のように〝父子鷹〟になるのか）。一方、ルメール大将は3日間開催の月曜にボウズ。結構断然人気の馬にも乗っていたのにねえ。ちなみに川田は月曜にやっと1勝。ますます両雄の争いが熾烈だ。

さて、恒例の〝映画連想馬券〟だが、リバティアイランドはNYの「自由の女神像」が建つ島のこと。この像を効果的に使った映画で、イの一番に思い出すのは、やはり『猿の惑星』（68年）だろう。

人間が猿に支配されている星に不時着した宇宙船から脱出したテーラー（チャールトン・ヘストン）は、下等動物として猿の軍団に捕獲されるが…というお話で、高校生のとき、大劇場で見て衝撃を覚えたものだ。ラストで呆然とするテーラーの前には俯瞰で捉えた自由の女神像の残骸が…ここは地球だった…というオチは、SF映画史に残るほど有名だ。猿のメーキャップもリアルで、映画にも釘付けになったが、テーラーを慕う人間の美女ノヴァを演じたリンダ・ハリソンにも〝イイ女だなぁ～〟と釘付けになったっけ。若い頃から性懲りもなく、ネーちゃんと馬のお尻を追いかけている私です。

買い目は、無論リバティアイランド1頭軸！　縦目ナシ。頭堅いから3連単と言いたいが、慣れないことに手を出すのは禁物。⑥から②④⑦⑧⑬⑮へ馬連＆3連複。連続的中と行きたいなあ!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。