野球・日本代表「侍ジャパン」の新監督が、中日、巨人でプレーした井端弘和氏(48)に決定した。
代表監督の選考は、ひと筋縄ではいかなかった。まず、世界一を達成したあとなので、「勝って当然」の重圧を背負う。前ソフトバンク監督・工藤公康氏(60)、前任者の栗山英樹氏(62)の続投案などがささやかれたが、人事決定権を持つ侍ジャパンの強化委員会は、別の見方をしていた。
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「理想は代表チームで選手として貢献し、チームのまとめ役も務めた人。引退後も侍ジャパンのコーチか何かを経験していたら、最高なんだけど」(大手広告代理店員)
強化委員会は、5月ゴールデンウィーク前に前段階的な会合を開き、約40人の候補者リストに目を通した。その中には、「候補として推したい。引き受けてくれるか」と質問をし、そのときの回答も書き加えられていたプロ野球OBもいた。だが、「選手、まとめ役、代表コーチ経験」の3項目を持つ候補者は少なく、井端氏は早い段階から「候補者」ではなく、「有力候補」になっていた。
次回WBCの指揮を執るのは…
13年の第3回WBCで活躍し、東京五輪ではコーチ、編成を担当。解説者、社会人チームのコーチ、そして、U-12の監督を2期務めている。しかし、強化委員会は「侍ジャパン監督」に別の理想も描いていた。
「WBCをサッカーのワールドカップのように発展させ、五輪競技に野球・ソフトを復活させる。競技者人口も増やしたい。そのためには、MLBを本気にさせなければなりません。米国を振り向かせることができるのはイチロー氏(49)です」(前出・同)
前述の候補者リストに名前はあったそうだ。「誰が説得にあたるのか?」と聞かれ、全員黙り込んでしまったというが、新星・井端ジャパンには〝不可解な点〟もある。来年11月に行うプレミア12までという、異例の短期契約。予定通りなら、次回のWBCは26年3月に開催されるが…。
井端ジャパンは今年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップが初陣となる。契約上では次回のWBCで指揮を執るのは井端監督ではない。これは本命イチロー氏を口説き落とすためか? 井端ジャパンは〝意味深〟な船出となりそうだ。
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