10月から酒税法改正で、ビールが値下げされるという朗報も束の間、異常気象で大麦の収穫量が減り、1缶300円程度のビールが近い将来、800円になるという左党にはショックな試算が出ている。
ビール系飲料はビール、発泡酒、第3のビールでそれぞれ酒税額が異なっているが、2026年10月には350ミリリットル当たりにかかる税率が54.25円に統一される予定。その一環として今年10月に段階的な酒税法の改正が行われ、ビールの値段は下がることになる。
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「ビール1缶(350ミリリットル)にかかる酒税は9月まで70円だったのが、10月からは63.35円。発泡酒の酒税は46.99円とそのままです。第3のビールは37.8円だったのが、反対に発泡酒と同じ46.99円に引き上げられたため、値上げになりました」(酒造ライター)
ビールの原料が激減!?
もちろん、ビール党には値下げは朗報だが、喜んでばかりはいられない。ビールの原料になる大麦に関する異常現象が世界中で報告され、日本でも北海道東部の広大な農地で大麦の異変が起きているからだ。
「それが穂発芽と呼ばれる現象で、穂についている種子が収穫される前に発芽してしまうのです。穂発芽した大麦は品質上、ビール製造には使用できない。雨の量が増えると大麦が収穫する前に発芽してしまう。北海道の夏は例年、雨が少なく大麦の成長に適していたんですが、今年は北海道にも線状降水帯が発生しました。穂発芽でビールの原料が激減する恐れがあります」(社会部記者)
北海道に巨大な農地を持つ大手酒造メーカー『サッポロビール』が解決策として進めているのが、穂発芽に対し抵抗性の強い大麦の開発だ。サッポロビールの施設では数千種類の大麦の品種改良が行われている。
「サッポロビールが品種改良に成功しなければ、ビールは近い将来、1缶800円に跳ね上がるという〝酔えない〟試算も出ていますからね。サッポロビールの取り組みが、日本のビール党の命運を握っているのです」(前出・酒造ライター)
缶ビール1本800円では、喉越しもスッキリしない?
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