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低迷する中日ドラゴンズに仰天計画!? 立浪監督続投の裏に“前・阪神監督”入閣の密約

バンテリンドーム ナゴヤ
バンテリンドーム ナゴヤ (C)週刊実話Web 

リーグ最下位に沈む中日ドラゴンズが、指揮官の立浪和義監督(54)に続投を要請した。ただし、来季も低迷が続けば「一時退任」し、前阪神監督の矢野燿大氏(54)がワンポイントリリーフの「約定」付きだという。「虎退治名人」を挟んで、「監督再登板」の密約だ。矢野氏入閣の可能性も浮上――。

「球団史上初の2年連続最下位でも、バンテリンドームは満員で、視聴率もいい。契約も1年残しています。立浪監督の続投は極めて順当ですが、尋常では今の岡田阪神に太刀打ちできません。苦肉の策がこの『約定』です」

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こう話すのは、中日新聞グループ幹部だ。同氏によれば、立浪監督は7月18日に大島宇一郎オーナーに前半戦の報告をした際、球団に「進退伺」を伝えたという。球団はシーズン途中であることから保留。その後、秘密裏で話し合う中で浮上したのが、ドラゴンズ時代に立浪監督と共にプレーした矢野氏の招聘だった。

「中日には監督を退任した故・星野仙一氏を間髪を入れず引き抜かれた阪神への遺恨があり、しっぺ返しの意図もにじむ」(スポーツ紙デスク)

今季のセ・リーグは、岡田彰布監督に率いられた阪神が18年ぶりに優勝を果たした。「アレ」の岡田監督の評価は高まるばかりだが、中日陣営では矢野氏の評価も高い。その理由は、現在の阪神があるのは金本知憲監督(2016〜18年)が種をまき、矢野監督(19~22年)が水をまいて育て、岡田監督(23年~)が花を咲かせたという背景があるからだ。

矢野氏以上のつなぎ役はいない

この2年間の立浪監督は、いわば金本監督の役回りだった。最下位という犠牲を払いながら石川昂弥内野手(22、19年ドラフト1位)、髙橋宏斗投手(21、20年1位)、ブライト健太(24、21年1位)の「ドラ1トリオ」を育成。さらにリードオフマンの岡林勇希、左腕エースの小笠原慎之介を磨き上げ、現役ドラフトでDeNAから獲得した細川成也外野手を主砲に据えた。つまり、将来の優勝への骨格が見えてきた。

本来なら、来季が勝負のシーズンとなるが、岡田監督が「とんでもなく強いチームを作ってしまった。フツーにやっていれば、9回を終えると勝っている」と驚くほど、今の阪神の戦闘力はずぬけて高い。

一方で立浪監督は来季も結果を残せなければ、ボロボロの状態で解任が必至。「ダメ監督」のレッテルが貼られ、監督復帰の目はほぼ消滅する。

「そこで立浪監督は一旦身を引き、矢野氏を挟んでの再登板もアリだと。球団が長期的な工程表を示せば、ファンの反発もかわせます。阪神の戦力、弱点を知り尽くす矢野氏以上のつなぎ役はいません」(球団関係者)

矢野監督時代のタイガースは「阪神ドラゴンズ」と揶揄されるほど、中日OBが主要コーチを占めた。清水雅治、井上一樹(共にヘッドコーチ)、久慈照嘉(内野守備)、筒井壮(外野守備・走塁)、新井良太(打撃)…。他に、キャンプで山本昌も臨時投手コーチを務めている。

今般、立浪監督に続投を要請するのに合わせ、中日は昨季の阪神ヘッドコーチで矢野氏と共に退団した井上元ヘッドコーチの招請を決めた。星野監督を支えた島野育夫ヘッドコーチのような、矢野氏の懐刀だ。

阪神監督退任後、矢野氏はこう話している。

「もしそういうとき(監督再登板)が来たら、まずは一樹(井上)に声をかける。僕の意図を酌んでくれる男だし、選手や裏方さんとのコミュニケーション能力もすごい」と。

オフの間に“岡田監督”が誕生していた…

今回の招聘は、球団の意向という。立浪監督は来季、PL学園時代の同級生・片岡篤史二軍監督を一軍ヘッドに配置転換する。後任の二軍監督に井上元ヘッドを配置する構図だが、球団は「矢野政権の一軍ヘッド」の狙いも併せ持つわけだ。

矢野阪神は、優勝こそ叶わなかったが、4年間で3、2、2、3位とオールAクラス。誤算は3年契約を1年延長して臨んだ最終年(2022年)。キャンプ前日の沖縄のチーム宿舎で「今季限りで監督を退任しようと思う」と発言。チーム内が混乱して優勝を逃し、オフに岡田監督が誕生した。

当時の虎番記者が、舞台裏を明かす。

「あの発言には伏線がありました。キャンプイン直前、矢野さんの元に〝親会社の阪急阪神HDが来季から岡田監督を決め、オフに正式発表〟の情報が入ったのです。いきなり出鼻をくじかれ、それなら自分から辞めてやると。実際にそうなりましたが、矢野さんが心を痛めていたのが、行き場を失った中日OBのコーチたちの再就職です。だから、阪神への未練や遠慮は一切ありません」

来季の中日に昨季までの阪神の監督、コーチが加われば、虎退治の大きなアドバンテージとなるのは間違いない。矢野氏が欲しいのは、打倒阪神と名誉回復。中日監督の座には恋々としない。

中日有力OBがこう締めくくる。

「今回のタイガース優勝で見逃せないのが、監督経験者の和田豊が8年ぶりにユニホームを着て二軍監督として岡田監督を支えたこと。矢野氏と立浪監督は同い年だが、入団は立浪が3年先輩だ。矢野は根尾昴の二刀流問題に熱意を示しており、二軍監督、コーチでも受けるはず。矢野氏のワンポイントなら立浪の監督再登板が可能。これ以上ない妙手が今回の〝続投特約〟だ」

阪神の優勝に「すべてを見習わないといけない」と脱帽しきりの立浪監督だが、実はしたたかに迎撃態勢を整えている。

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