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JRA重賞『オールカマー』(GⅡ)美人競馬研究家・山崎エリカの「負けない馬券」

山崎エリカ
山崎エリカ(C)週刊実話 

今週は『オールカマー』を取り上げます。

《馬場傾向》
稍重で行われた紫苑ステークスでレースレコードが出たように、今開催の中山芝は例年以上の超高速馬場。良馬場ならタイムの速い決着になるので、内々をロスなく立ち回れる馬が有利である。

《ペース傾向》
オールカマーが行われる中山芝2200メートルは、前半で高低差5.3メートルの最高地点を目指して坂を上り、中盤で坂を下るコース。このため前半のペースが上がりにくく、かなりのスローペースが4回、ややスローペースが3回。唯一、ややハイペースになったのが、逃げ馬が多数だった2013年のみ。直近6年ではすべてスローペースとなっている。

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《脚質傾向》
スローペースでも逃げ馬が残りにくい。それは前半のペースが遅い分、向正面の下り坂から3角付近でペースアップするからだ。つまり、スパートするタイミングの速いレースになっているため、過去10年で逃げ馬の3着以内は、19年のスティッフェリオのみ。しかし、追込馬が優勝したのも、ややハイペースになった13年のみとなっており、基本的に馬場の内々を立ち回れる先行〜差し馬が有利。

昨年の覇者・ジェラルディーナの変わり身に期待!

★マテンロウレオ
古馬になってから先行するようになって安定感が増し、成績も上昇。今年は京都記念2着、大阪杯4着、天皇賞・春5着と、すでに古馬のトップ級と互角に戦えるだけの実力がある。前走の札幌記念はスタミナが不足する休養明けでタフな馬場。前々走で長丁場を使われた影響で行きっぷりが悪く、追走にも苦しみ、本来の能力が出し切れずの14着に大敗した。しかし、今回はライバルたちが休養明け。叩かれた強みを活かしての一変を期待する。また、本馬は高速馬場で好走実績があるのもよい。

★ジェラルディーナ
順調にレースを使われ昨秋はオールカマーを優勝するまでに成長。同レースはCコース替わりで馬場が内から乾いていったこともあり、道中最内を通った1〜3番枠の馬が上位を独占する形。本馬は2番枠に恵まれて、好位直後の最内を追走することができたが、その後もエリザベス女王杯優勝、有馬記念でも3着と好走したように、本当に力をつけている。今年に入って休養してからの2戦は結果が出なかったが、前走の宝塚記念で復調気配を見せており、変わり身に期待する。

★タイトルホルダー
昨年の天皇賞・春で独走、7馬身差のVを飾るなど、芝2200メートル以上のGⅠで3勝の実績がある。スタミナ豊富でとにかく前に行ってしぶとく、ここでは実績断然。一昨年の中山芝2200メートルのセントライト記念こそ最後の直線でまったく進路がなく13着に大敗しているが、日経賞2連覇の実績があるようにアップダウンの激しい中山コースは得意だ。前走の天皇賞・春は1角で主導権を握ったものの、まさかの競走中止。今回はそこからの復帰戦となるが、能力を出せる状態になれば当然有力視すべきだ。

山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式ツイッター=@_yamazaki_erika.

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