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原巨人がドラフトで狙うは高校生投手!? 来シーズンも若手育成に期待か…

東京ドーム
東京ドーム (C)週刊実話Web

これは、「来シーズン以降に舵を切った」ことの証左なのだろうか。

巨人は、9月2日のDeNA戦に大敗。翌日は辛勝したものの、同4日時点で借金1。首位阪神とのゲーム差は14.5、クライマックスシリーズ進出に向け、厳しい状況が相変わらず続いている。


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「2日は、一挙に6選手の入れ換えを行いました。『特例2023』の対象選手だった梶谷隆幸の帰還昇格は理解できます。ですが、松田宣浩、ルイス・ブリンソンらを抹消して昇格してきたのが、慶応大出身のドラフト2位ルーキー・萩尾匡也たちだったのは驚きでした」(スポーツ紙記者)

萩尾の再昇格により、昨秋のドラフト会議で指名した新人5選手全員が一軍ベンチに揃ったことになる。

「育成枠で指名した松井颯も、5月にプロ初勝利を挙げました。ドラフト戦略の勝利と言えばその通りですが、彼らはDeNA戦の勝敗には絡みませんでしたけどね」(同)

3位DeNAとのゲーム差も「3」に広がった。2年連続Bクラスが濃厚となり、この「新人勢揃い」は、原辰徳監督(65)が来季以降に向け、チーム改造に着手したとも取れる。この「ドラフトの成功」による影響だろう、今秋のドラフト戦略にも異変が見られた。

「巨人がU-18大会に今年もスカウトを派遣することを決めました」(ベテラン記者)

U-18大会へのスカウト派遣、密着といえば、昨秋の浅野翔吾(18)の指名が思い出される。会場だったアメリカまで担当スカウトを派遣したのは巨人だけだった。

派遣したのは、この時点で浅野への1位指名を決めていたからだ。この「派遣=1位」の見解から、巨人は今年も高校生を指名するとみられている。

「阪神も浅野を1位指名しましたが、アメリカまでスカウトを帯同させていません。現場で誠意を見せても、ドラフトのクジ運次第。そう割り切って、現場取材の回数を減らした球団もあるようです」(同)

今年の即戦力投手は大学や社会人に多い

今回、U-18大会の会場は台湾。渡米するほど費用が掛からないので、現地入りを検討している球団もあるそうだが、「帯同を早い時期に決めた」のは巨人だけだ。

「元選手で、関西地区担当の渡辺政仁スカウトが台湾入りします。プロでは外野手に転向しましたが、もともとは投手で、11年1位指名の松本竜也投手を担当しました」(球界関係者)

U-18メンバー入りした関西地区の高校生といえば、大阪桐蔭の投手・前田悠伍、履正社の内野手・森田大翔、智弁学園の投手・中山優月。渡辺スカウトは左投手だったので、狙いは前田か?

「前田は高校球界屈指の好左腕です。変化球の持ち球も多く、ストレートは150キロ近く出ます」(スポーツライター・飯山満氏)

大阪桐蔭は夏の甲子園大会に出場していない。しかし今年3月のセンバツで前田は好投、敦賀気比(福井)戦では14奪三振1失点で完投勝利を収めている。

「敦賀気比戦のネット裏に渡辺スカウトがいました」(前出・球界関係者)

他球団も当然、前田を高く評価していたが、「即戦力」とみている球団は見当たらなかった。今年のドラフト会議だが、大学、社会人に好投手が多く、「即戦力の豊作イヤー」といわれている。

即戦力投手を指名すれば、エース・菅野智之の不調がチームの低迷に直結する状況から抜け出せるのだが…。

「大坂桐蔭出身の左腕といえば、23歳の横川凱がいます。横川がブレークしたので、2匹目のドジョウを狙いに行くのかも」(前出・スポーツ紙記者)

もっとも、1位で前田を指名しても「2位以下でも大学、社会人の好投手は何人か残っている」との見方もある。だが、1位で消える投手と2位以下ではレベルが違う。補強しない意図が分からない。

「2年連続でのBクラス低迷なのに、ファンのクレームは例年よりも少ないと聞いています。若手をどんどん使っているからです。ドラフトでも育成の方針を貫けば、すべて期待論に変わるでしょう」(同)

成績不振の菅野だが、フォスター・グリフィンがアクシデントで先発できなかった8月23日に志願して代理登板した。その男気で信頼を取り戻したという。

即戦力ではない前田が1位指名されたら、菅野時代は続き、世代交代も後退してしまうかもしれない。

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