8月23日に幕を閉じた『第105回全国高校野球選手権記念大会』(夏の甲子園)で、ドラマが生まれた。親子2代で日本一を成し遂げた「甲子園の申し子2世」は今後、どんな野球人生を歩むのか注目が集まっている。
同大会では、神奈川県の慶應高校が昨夏の覇者・仙台育英(宮城県)を破り優勝した。107年ぶり2度目の全国制覇の勝因として、自主性を重んじる校風が挙げられている。
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「従来の高校球児の丸刈りのイメージを覆す髪形、圧倒的な声援…。練習時間も短く、そのメニューは生徒たちが考えて行われています。でも、既成概念を壊したから勝ったのではありません。慶應はいわゆる〝野球学校〟ではありませんが、部員は100人以上。他県から有望な選手が集まっています。そんな選手たちがノビノビとした環境の下で実力を発揮したんです」(スポーツライター・飯山満氏)
慶應高校の『エンジョイ・ベースボール』で頂点を極めた球児の中に、PL学園時代に甲子園通算13本塁打の最多記録を持つ〝レジェンド〟清原和博氏(56)の次男・勝児君もいた。背番号「15」を付け、沖縄尚学戦で代打出場するなど優勝に貢献した。学年は2年生だが、1年生のときに留年したため、高野連の資格規定により、今年が最後の夏となった。
「決勝の仙台育英戦でも6点リードの9回に代打で登場し、四球を選び出塁した。清原氏を父に持つ勝児君の代打アナウンスにスタンドは、ひと際大歓声に包まれました。スター性は申し分ないですね。周囲の話によれば、高校卒業までは野球部で練習をして、大学でまた野球を続けるようです」(アマチュア野球担当記者)
神がかっていた慶應
留年した生徒も「続けたい」との希望があれば、周囲はその環境を提供する。これも慶應高校のエンジョイ・ベースボールの一環なのだろう。
「勝児君は春まではレギュラーでしたが、今夏は控えに回りました。打席数が少ないので、プロ野球スカウト陣も評価しかねていましたね。もしプロを目指しているのであれば、大学卒業する5年後になるのでは。東京六大学野球でさらにレベルアップすれば、ドラフト指名する球団も出てくる。スター性を重要視する北海道日本ハムなどは、関心を示しているはず」(同)
元横浜高校野球部長の小倉清一郎氏は、神奈川県の予選前から「慶應に要注意」と口にしていた。
「神奈川県決勝戦ですが、最終回、横浜高校が併殺プレーを成立させたかに思えたものの、セーフと判定された。慶應の逆転3ランが出たのはその直後。夏の大会を通して慶應は神がかっていました」(同)
清原親子は、何か〝持っている〟ぞ。
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