新型コロナが、5月8日から感染症法上で季節性インフルエンザと同じ5類に移行されてから感染者数は緩やかな増加傾向にあった。お盆明けのこれから急激な増加が懸念されているが、医療現場では薬不足が続いて混乱している。
「お盆前からコロナ感染者が増え始めています。同時に夏風邪も流行していますが、治療薬が以前にも増して不足している。薬がない状態なので、頭を抱えています」(藤巻耳鼻咽喉科医院の藤巻豊院長)
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東京都が8月10日に発表したコロナ感染状況は6日までの1週間で都内419の医療機関のうち412カ所、4750人。前週と比べると1.04倍、7週連続の増加だ。
「東京だけではありません。全国的にも増加傾向にあり、コロナ感染は予断を許さない状態です。5類に引き下げられて以降、手洗いやマスク着用などの基本的な感染対策が緩んだからでしょうね。お盆に入って、旅行客や帰省客が激増。さらにテレビを見ると、花火大会やコンサートなどのイベントでは、ほとんどの人がマスクをしていない。お盆明けに感染拡大し〝第9波〟が来るかもしれません」(医療ジャーナリスト)
ジェネリックの品質不正も…
前出の藤巻院長は「コロナ感染自体は以前より重篤化することは稀ですが、コロナで発症した上気道感染に付随する痰切りや咳止め薬が非常に不足しています。小児では中耳炎を発症する子供が多い。治療のための抗生物資も、かなり足りません」と語る。
医薬品不足の発端は2020年以降、ジェネリック医薬品(後発薬)のメーカーによる品質不正問題などが次々に発覚し、業務停止命令が相次いだことが背景にある。
「一部の病院やクリニックでは、欠品の恐れがある薬のリストを作って、使用制限などの対策を講じている。特に、副作用が少なく、使いやすい解熱剤の『アセトアミノフェン』が不足しています」(前出・医療ジャーナリスト)
医薬品不足問題は深刻化している。前出の藤巻院長は「解消の目途は立っていません」と今後への不安を隠さない。
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