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女優/中山忍インタビュー~今年はデビュー35周年&50歳の節目です!~

中山忍
中山忍 (C)週刊実話Web

最近はトークバラエティー番組での天然(?)発言が話題の中山忍。昔と変わらずキュートで愛らしい彼女だが、今年1月で50歳となり、11月2日には歌手デビュー35周年を迎えるという。節目の年に何を思うのか? 「新たな決意」を聞いた。


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――あの中山忍さんが50歳…。ファンにとっても感慨深いものがあると思います。何か、記念行事のご予定はあるんですか?

中山 実は1月に、30数年ぶりのライブをやらせていただいたんです(東京・丸の内『COTTON CLUB』にて)。

――そんなに久しぶりでしたか。特に歌手活動を封印していたわけではないですよね?

中山 私のデビューのきっかけはスカウトだったのですが、それも姉(中山美穂)の影響が大きくて…。家族で姉を見送りに成田空港に行ったとき、映画・ドラマ監督の吉田啓一郎さんに声をかけられたんです。

――80年代アイドルにはよく聞くエピソードです。

中山 アイドルになりたいとか、女優になりたいという強い思いもなく始めたので、歌を歌ったりコンサートをするのは楽しいことは楽しかったのですが、どうにも歌が下手くそだったんです(笑)。歌詞や振りを覚えられなかったり、本番で忘れてしまうこともよくあったので、アイドルとしてはそんなに出来は良くなかったと思います。そんなわけで、20歳前後からは女優業に力を入れるようになり、30数年が経っていました。歌手活動はフェードアウトしたので、封印といえば封印かもしれません。

――公式に歌うことはなくても、ボイストレーニングは続けてきたんですね?

中山 舞台をやる機会があったので、それは時々していましたが、今回のライブに向けては一層頑張りました。気持ちの中で少しだけ悔いは残っていたんでしょうね、歌うということに関して。30年くらい女優としてやってきた何かが、きっと私を助けてくれるのでは…という期待もありました。

――歌詞を忘れ、振りを間違えるといったことは克服できてましたか?

中山 う~ん。さまざまな段取りをやっぱり間違えましたね。助けてくれたのは、変な舞台度胸だけだったかも(笑)。ただ、歌に関しては「とても良かった」と褒めてくれたのが身内に若干2名いまして(笑)、ファンの方からはトークが面白かったというご意見を多くいただきました。

――それはやはり、最近のトークバラエティー番組出演の賜物ですか。正直、「こんな人だったの!?」と思うエピソードが多いような…。

中山 私自身は変わってないのですが、若い頃との印象は違って見られるかもしれませんね。実際、10代の頃って、こういうふうにインタビューしていただいても「はい」「いいえ」「そうですね」で会話を成り立たせようとしてましたから。ちょっとひねくれていたんです。あの頃は中山美穂の妹ということで、コンプレックスというか、「中山忍はどこに行っちゃうんだろう」という不安みたいなものがあったんです。今思えば可愛らしい悩みなんですけど、当時から付いてくれているマネジャーからは根気強く、繰り返し繰り返し諭されていました。「お姉さんが中山美穂っていうのはね、いいことなんだよ。誰でも知ってる人の妹というのはすごく分かりやすい、とても恵まれてることなんだよ」って。もちろん、1回や2回じゃ全然納得しませんでしたよ。なにしろ、ひねくれていたので(笑)。

反応とタイミングで笑いを

――どれくらいで納得できたんですか?

中山 かなりかかりました。30歳の手前くらいだったかも。デビューから15年くらい経って、「もう人生の半分、芸能活動をしているんだ」と思ったときに、才能があろうとなかろうと、もういいや。仕事は楽しいことばかりじゃないけれど、それでも続けたいって思えることは幸せなことなんだから頑張ろうって。そのマネジャーからは今、「50歳になって、もうおばちゃんなんだからね」って言い聞かされてます。年相応、というのはちゃんと持っていたいなと思いますね。

――では、何がきっかけで天然(?)キャラが花開いたんでしょう?

中山 それはやはり『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)だと思います。それまでも、例えば番宣などでバラエティー番組にはちょくちょく出させていただいてたのですが、喋ることは得意じゃないというか、特別面白いことも言えないし…みたいな気持ちでした。それは今も変わってないんですけど、『踊る!~』には最近3回出させていただいて、うち2回で「踊る!ヒット賞」(編集部注:その日のトークで一番盛り上がった場面に送られる賞)をいただいたんです。

――爪痕を残したってことですね?

中山 いえ、話が面白かったというよりも、「えーっ」て驚いてるだけなんです。その反応とタイミングが面白かったみたい。以来、自分をよく見せようと意気込まず、ありのままの自分で出ちゃおうと思えるようになりました。そこがまあ、おばちゃん的な発想なのかもしれませんけど(笑)。

中山忍
中山忍 (C)週刊実話Web

――もう一つの「踊る!ヒット賞」は?

中山 毎回、トークテーマがあるのですが、誰かが喋ったことに関して振られると、すぐには反応できないことってあるじゃないですか。確かそのときは「印象に残ってるドラマの名シーン」についていろんな方が喋っているのを、普通にテレビを見ている感覚で聞いていたら私にも振られたんです。さんまさんに「忍ちゃんはある?」と言われた私は「ええ、あります」と答えて、「何? お姉さんのドラマとかもあるでしょ?」と聞かれて「ありますあります……」と言ってる間に考えていたら、さんまさんが「ないんやろ」って言われて、そのトークは終わりました。よく考えればあるはずなんですけど、すぐには思い浮かばなくて。

“今はいません”と答えてます

――他のトーク番組でも驚きのエピソードが飛び出しています。お姉さんのコンサートでテンションが上った忍さんが客席から「お姉ちゃん頑張ってーっ」と叫んで、周りのお客さんを「妹がいる」とザワつかせたとか。

中山 はい。姉が気づいてなければいいなぁと思ったのですが、あとから「気づいてたよ。結構目立ってたからやめてね」って(笑)。

――それは意外。30歳頃までの話をお聞きすると、現在そういう関係だとは思いませんでした。

中山 不仲説があるみたいなんですけど、そんなことはないんですよ。ただ、お姉ちゃんはどこか天才肌なところがあって、私がどんなにコツコツと努力を積み重ねたことでも、簡単にやってのけちゃうというか。もちろん、見えないところで努力はしてるんだと思うけど、嫉妬というか、羨ましく思う気持ちはありましたね。でも今は、私の中で推し活はお姉ちゃんなんです。

もう1人、1匹かな? 昨年から一緒に住んでるポメラニアンのメイちゃん(女の子)も推しです。ただ、犬って散歩が好きと思っていたのですが、うちの子は外出は好きだけど歩くのはそんなに好きじゃないみたいなんです。「抱っこで散歩させて」みたいな雰囲気を醸し出すんです。だましだまし歩かせるのが大変ですね。

――そこで男性の名前が出てくるのを期待したんですが…。女性としての将来というか、結婚についてはどうですか?

中山 もう50歳ですし、別に「結婚はしない」とか、そういう主義主張があるわけではないのですが、ただタイミングを逃しちゃったかな…という感じですね。まあ、今は多様性の時代だからいいのかな、これからも楽しく生きていきたいなっていう気持ちですね。

――何かしらのパートナーがほしいという気持ちは?

中山 何が何でも、という気持ちは正直ないんですけど、「ない」と言い切ってしまうと理由を説明しなくちゃいけないので、それもまた違うかなって。「今はいません」と答えています。

――恋愛で言えば、トーク番組で昔から彼氏ができるとマネジャーにバレバレだったと話されてましたね。

中山 実はアイドル時代にも彼氏がいた時期はあるのですが、事務所からは特に禁止されてはいなかったのに、隠していたんです。こっそりやりたくて、いろいろと嘘をつくんですけど、すぐにバレちゃう。だから、よく叱られてました。あるときは、マネジャーと事務所兼自宅をシェアしていて、リビングが共有だったんです。そのとき、お付き合いしている人がいて、マネジャーには言ってなかったんですね。隠せると思っていたから。ところがある日、「こういう人とお付き合いしてますね?」と聞かれてドギマギ。スケジュール帳に「○○さんとデート」と書いてリビングに開きっぱなしで置いていたんです(笑)。すぐにバレる嘘をつきすぎてマネジャーにブチ切れられ、「信頼関係を築けないなら辞めます」と言われて、私が「心を入れ替えます」と言ったら、マネジャーが半分冗談で「じゃあ、血判状を書け!」と。そこで私は「血が出て痛いからイヤです」と言ったら、また怒られました(笑)。

天使も悪魔もやりたい

中山忍
中山忍 (C)週刊実話Web

――アイドル時代の同期には島崎和歌子を始め、マルシア、田村英里子、深津絵里…といった個性派の方々が並んでいますね。中でも島崎さんは独身仲間ですが、交流はあるのでしょうか?

中山 同期の中で、今でもよく連絡を取るのは和歌ちゃんですね。先日もご飯を食べたけれど、私はお酒が飲めないので、和歌ちゃんだけ飲んでました。

――ガールズトークをするんですか?

中山 そういうのはもう、しないです。それよりも先日は『金スマ(中居正広の金曜日のスマイルたちへ)』(TBS系)で和歌ちゃんが取り上げられていて、『オールスター感謝祭』(同)になぜ和歌ちゃんが18歳からずーっとMCに抜擢されているのかという話でした。和歌ちゃんはカメラが回ってなくても、人が嫌がることでも裏表がないって、それを見ていたスタッフが抜擢したんだという話でした。いわゆる人間力ですね。それに感動したという話を当人にぶつけてたら、和歌ちゃんは「なんか分からないけど、ありがとう」と言ってました。

――先ほど、年相応という話がありました。女優としての今後については?

中山 これは20代の頃から言ってるんですけど、母親の年代になったら母親役を、おばあちゃんの年代になったらおばあちゃんの役を、そして天使も悪魔も両方やりたい。2時間ドラマで言えば犯人も警察側も。

――最新のドラマで言えば、高橋克典の奥さん役で刑事ドラマに出られてますね。

中山 はい、月曜プレミア8『警視庁追跡捜査係-交錯-』(8月7日、テレビ東京系)で、遠藤憲一さんと高橋克典さんのダブル主演です。原作は堂場瞬一さんの人気シリーズで、性格も捜査手法もまったく異なる追跡捜査係の同期コンビ(高橋&遠藤)が、未解決事件を追いながらバディの絆を深めていきます。私は家族のシーンが中心でしたが、明るく朗らかな高橋さんのおかげで、現場はとても和やかで楽しいものでした。反抗期の息子と旦那さんのちょっとギクシャクしたやりとりもありましたが、心配しすぎることもなく、「何があっても大丈夫!」というおおらかさで「家族」の中にいることを意識して演じました。誰かが誰かを想う強く優しい気持ちが沁み渡るような作品となっていると思います。

――最後に、健康面について不安などはないですか?

中山 実は3年前、『名医のTHE太鼓判!』(TBS系)という番組に出て余命宣告をされたんですよ。そのときの結果が87歳。そこまでは元気に生きられるとお墨付きをいただいたので、今はスクワットとか体幹トレーニングのプランクを頑張っています。足腰を鍛えれば88歳までいけるんじゃないかなって(笑)。

◆なかやましのぶ
1973年1月18日生まれ。88年『オトコだろッ!』(フジテレビ系)で女優デビュー。同時に『小さな決心』で歌手デビューも果たす。93年『ゴジラVSメカゴジラ』、95年『ガメラ大怪獣空中決戦』に出演したことで、ゴジラ映画とガメラ映画の両方に出演した初の女優となる。96年、第19回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞を受賞。

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