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夏の甲子園“ドーム開催”ついに本格検討?今年は初日から高校球児の熱中症続出…

阪神甲子園球場
阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web

今年も「甲子園」こと全国高校野球選手権大会の季節がやってきた。大会をめぐっては熱中症対策が年々課題になっているが、こうした対応が〝待ったなし〟に必要であることが例年以上に示されている。

「炎天下での高校野球開催の是非は、もう議論されて久しい問題。球児の健康に配慮し、過酷な環境下でのプレーをドラマ・美談扱いすべきではないと、世論も有識者も苦言を呈し、さまざまな対策を提案しています」(スポーツライター)


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こうした議論を背景に、今大会では5回終了時に10分間の休憩を挟み、アイスバスや水分補給を行う「クーリングタイム」が導入された。だが、酷暑の前にはこうした対策も敵わなかったようで、熱中症の疑いで交代する球児が続出した。

「8月6日の大会初日、第1試合の土浦日大×上田西戦で、いきなり3名もの選手が、足が攣ったとして途中交代。同日夜には、大会本部が熱中症の疑いで処置した選手を発表し、初日の3試合だけで計6名にものぼったとしています」(同・ライター)

この日、甲子園球場がある兵庫県西宮市の最高気温は36度。気象庁からは熱中症警戒アラートも発出され、暑さ指数は31を超えていた。

“ドーム開催”を本格検討か?

「暑さ指数31以上というと、『運動は原則中止』『外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する』『特に子どもの場合には中止すべき』を指す数字ですから、高校野球を開催中止にする条件はすべて揃っていたと言ってもいい。NHKは『熱中症警戒アラート 兵庫』という注意表示をしながら高校野球を中継し、皮肉のようだとネット上で話題になりました」(スポーツジャーナリスト)

このままいくと、夏の甲子園に関する抜本的な対策が必要となるだろう。実際、こうした提言は有識者からも噴出している。

「自身も高校時代から注目選手だった元メジャーリーガー・松井秀喜氏は7月下旬、スポーツ紙のインタビューで、高校野球に関し『時代の変化とともに変わった方が良いと思います』とコメント。『真夏の酷暑の中で連日、試合をやったら体への負担は避けられません』『我々の時代は当たり前でしたが(中略)、今は当たり前ではない時代』などと話し、開催時期の変更や二部制という大胆な提言を行いました』(スポーツ紙記者)

元ヤクルトの宮本慎也氏も、レギュラー出演するYouTubeチャンネル『野球いっかん!』の6日公開動画で、高校野球の暑さ対策を『色々やってみて、駄目だったら戻せばいい』と指摘。ゲリラ豪雨や酷暑など、日本の夏がかつてより過酷になっているとして、対策を求めている。

「代替案として多いのは、冷房完備のドーム球場開催、暑さの和らぐナイトゲーム案、9月への開催時期変更といった意見。特にドーム案は多くの支持を集めていますが、高野連としてはまともに議論していないのが現状です。しかし、クーリングタイムを導入した今回も熱中症が続出していることから、高野連も本格的な議論に乗り出さざるを得ないでしょう」(同・記者)

奇しくも、今大会での熱中症続出は、ドーム開催を加速させるかもしれない。甲子園球場で高校野球を見られるのもあと数年か。

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