先週の中京記念の結果に天を仰いだ。そりゃ、ヘボ予想は常だが、恐らく今年で一番ヘボかったのではないか。何しろ、本命視した坂井ホウオウアマゾンは14着、2番手に推した岩田望アドマイヤビルゴは13着と、まさにくつわを並べて、2桁着順に甘んじたのだから、処置なし、言い訳無用となった。
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間違いの元は何か、と反省・分析すれば、勝った8番人気セルバーグを無視したこと。これに尽きる。ご贔屓・松山が乗ったというのに、前走があまりに負けすぎ(「米子S」12着)だし、小柄な牡馬(432キロ)だし…とかで切ってしまったとさ、という体たらく。
それにしてもセルバーグ。あっと驚く逃げの手を打ち、これがまんまとハマるとは! さすが松山! と言いたいところだが、聞いてないよ~、と恨み節を唱えるのが関の山。時々取り入れる〝騎手買い〟に徹すれば、松山とともにご贔屓の川田が乗ったルージュステリアが3着だし、難無く的中できた気がする。
2着の2番人気のデムーロ騎乗ディヴィーナも買えたしなあ…。これで先々週の函館記念に続いて、〝荒れる〟と評判の重賞が、結果的には、1、2番人気の馬券圏内突入で、あまり荒れなかったのは偶然か。
で、今週はまた〝場替え〟。〝牝馬の鉄〟としては、札幌のクイーンステークスを狙うと見せかけて(このフェイント、何の意味があるんだ?)、新潟に照準を合わせよう。電撃の直線競馬重賞のアイビスサマーダッシュをロックオン。人気馬が堅調で、外枠圧倒的有利なので、いかにも当てやすそうだが、はてさて。
意外と、こちらのほうが〝大荒れ〟だったりするかも。齢を取ると疑い深くなっていけないや。
さて、予想の前に、毎度毎度の〝週刊騎手情報〟だけど、先週でルメール大将が川田を少し突き放し3勝差とした。大将は札幌継続で、前出の重賞・クイーンステークスにルビーカサブランカで挑むのだが、函館記念2着から、中1週の臨戦がどう出るか? ちょっと危険…と見て軽視したい。
とはいえ、大将がさらにリードを広げるのか、川田が再び肉薄するのか? 何だがセリーグの上位争いみたいで興味は尽きない。広島が10連勝で凄いや。
“映画連想馬券”の本命はトキメキ
おっと話が逸れたのでアイビスサマーダッシュに戻せば、改めて言うけど、このレースはとにもかくにも枠順がイノチ。その上、この10年、ほとんどの年で牝馬が2頭馬券圏内になっている。〝夏は牝馬〟の競馬格言が、そのまま通用する重賞の典型だろう。さらに言えば毎年、5歳馬が最低1頭は馬券対象に。で、ジャジャ~ンと枠順決定!
重賞勝ち馬だし、戸崎が乗るし、で上位人気必至のジャングロだが、1年3カ月の休養明けで初の直千は無理がある? おまけに内枠⑥は不利。いくらトップスピードのある馬とはいえ、直千は意外と難しいはず。それなら前走・韋駄天S3着の松岡トキメキをまず買いたい。
こちらはギリギリ2桁馬番の⑩。続いて、3走前にこの韋駄天Sを勝った今村メディーヴァルが⑪で次位か。夏は女性騎手かもよ。例年、この韋駄天S経由の馬が好走しているので、2着の武藤ファイアダンサー、7着の坂井スティクス、11着のシンシティが外枠を引いたので浮上させたい。
さて〝映画連想馬券〟だが、映画題名ズバリなら『シンシティ』(05年)があるが、それは別の機会で、ここはトキメキから、『ときめきに死す』(84年)を。21年に61歳の若さで死した人気監督・森田芳光による異色ハードボイルド・サスペンスで、切り口が独特の〝森田ワールド〟全開である。
当時、人気絶頂の沢田研二を始め、樋口可南子、杉浦直樹という通好みの異色キャストで、あるテロリストが暗殺に失敗するまでを、男2人、女1人の奇妙な共同生活を軸に描いている。第一、〝ジュリー〟が全然カッコ良くなくて、従来のテロリスト像からも違うところがミソ。
丸山健二の原作にはないヒロインの樋口可南子も、ユニークな女性像としての存在感を見せ、森田監督独特のセンスが溢れる。40年近くも経た現在見ても〝新しい!〟と感じるはず。
馬券は⑩⑪⑭⑯⑰ボックスの馬連&3連複。あと馬連で⑩と⑪から内枠の①、③、⑤へも少し目配り。⑩⑪縛りで①、③、⑤へ3連複も。猛暑の夏を吹き飛ばすぐらいの大穴、当たらんかなぁ~。
秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。
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