ライバルは「往年の名プレーヤーたち」!
エンゼルスの〝二刀流〟大谷翔平が本塁打を量産中、好調をキープしている。現地時間6月29日のホワイトソックス戦で29号を放ち、ア・リーグ本塁打王争いで2位以下に4本差をつけた。また、この本塁打で日本のメディアが注目したのは、「07年7月」に作られたある記録。ヤンキース時代、松井秀喜氏が樹立した「月間13本塁打」を抜き去ったのだ――。
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「アメリカのメディアはこの29号が本拠地での通算90本目になったと報じていました。83試合で29号、このペースなら『シーズン56本』。21年の自己最多46本塁打を上回るハイペースです」(米国在住ライター)
翌30日のダイヤモンドバックス戦では右翼席に飛距離150メートルの超特大アーチを叩き込んだ大谷。「3年連続30本」で、日本人選手では初めての快挙。公式記録ではないが、その150メートル弾は「今季、MLBで出た本塁打の最長」(米メディア)とも伝えられている。
そんなホームランにまつわる話題も尽きないが、30号が出た時点での最大の関心事は、今夏の米オールスターゲーム前日の「ホームランダービー」に出場するのかどうかだったが、今季のホームランダービー出場メンバー全8人が6日に決定し、大谷の不参加が確定した。
ホームランダービー辞退で“アーロン・ジャッジ超え”に注力!
事前には「大谷には出てほしくないという意見がやや多かった」(米国在住ライター)という。事実、46本塁打でホームラン王争いをしていた21年、大谷も同ダービー出場後の後半戦で調子を落としている。前半戦84試合で33本を放ったが、後半戦71試合では13本しか打っていない。前半戦は9.12打席に1本の割合でホームランが出ていたが、後半戦は18・15打席に1本まで落ちている。
こうした状況を知ってのことだろう。先月29日のホワイトソックス戦の試合前、エンゼルスのフィル・ネビン監督は囲み取材で、「大谷がホームランダービーに出るかって? すでに(参加を)断っていると思う。実際に断りを入れたのか分からないけど」と答えていた。
Dバックス戦で飛び出した30号についてさらに付け加えると、「チーム開幕84試合目」での到達は、昨季62発のア・リーグ新記録を樹立したヤンキースのアーロン・ジャッジと同じペースでもある。
今季のジャッジは、右足親指の負傷で離脱している。「早期の復活は難しい」との見方が大半で、その影響だろうか、現地では「大谷はジャッジの記録を抜いてしまうのか?」という見方もされている。東海岸からは「大谷が63発で昨季のジャッジを抜けば、その記録は…」と批判的な声もあって、大谷ファンとネット上での論戦も繰り広げられていた。
「ジャッジは昨季、ロジャー・マリスのア・リーグ記録だった61発を61年ぶりに更新しました。ベーブ・ルース、マリス、ジャッジはヤンキースの選手です。だから、大谷のホームラン記録に関して敏感なんです」(同)
ちなみに1961年、マリスがベーブ・ルースの記録を抜こうと本塁打数を積み上げていったときのこと。マリスはベーブ・ルース信者から「記録を抜くな!」といった脅迫も受け、ストレス性の脱毛症にも悩まされたという。
また、同年はシーズン154試合制から現在の162試合制に移行されており、当時のMLBコミッショナーが、「マリスの数字は参考記録扱いにする」と発表した。
「あとからケチをつけることは、いくらでもできます。マリスは後年、『61発さえ打たなければ、本当に幸せだった』とコメントしています」(同)
東海岸の一部はともかく、大谷のホームラン記録に関する報道やファンの捉え方は好意的なものばかり。「愛されキャラ」なのだ。
大谷が好調をキープしている秘訣は、昨年よりも1インチほど長くしたバットにあるという。こんなことで変わるのかと思うが、些細な変化で変われるのも大谷の実力だろう。
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