スポーツ

阪神大失速で首位陥落!原因は投手陣崩壊し迷走する“岡田采配”か

阪神甲子園球場
阪神甲子園球場 (C)週刊実話Web 

首位陥落――。5月半ばに首位に立って以来、独走状態に入りつつあった阪神タイガースの失速を、誰が想像できただろうか。敗因は投打ともにあるが、気になるのは「ブレない采配」の岡田彰布監督が揺れ動いていることだ…。

【関連】阪神「無敗の大竹」に交流戦で初黒星! 投手陣の不安は夏場失速の前触れ? ほか

「交流戦前、2位の横浜DeNAとのゲーム差は『6』でした。それが『2.5』に縮まって、しかも、ペナントレース再開の最初のカードが首位攻防戦。3連敗で首位が入れ替わる危険性を含んでおり、阪神側は少しざわついていました」(在阪メディア・記者)

岡田采配に異変が見られたのは、首位攻防戦前の6月22日。甲子園球場での練習後、岡田監督は記者団にこんなことを話していた。

「明日、絶対勝つ必要もないやんか、別に。負けてもええやんか。向こうの方がもっと(勝ちたい)やん、今永(昇太)なんやから」

阪神の先発はJ・ビーズリーと発表されていた。こう言っては身も蓋もないが、侍ジャパンにも選ばれた好左腕とでは格が違う。

岡田監督の言う「負けても」発言には意義深いものがあったのだが、案の定、23日のDeNAとの第1ラウンドは敗退…。しかも、試合後に出たコメントは衝撃的だった。

「どこ見とんや? (球審は)逃げるように帰ったな」

怒りに、声が震えていた。そのままベンチ裏の監督室へ。会見用に準備されていた別室には姿を見せず、今季初の会見拒否となった。

「取材エリアから見ていた限りでは、阪神、DeNAともにストライクゾーンに適応できていなかったようでした。実際、今永も際どいコースに投げたボールがストライクとジャッジしてもらえず、マウンド上で首を傾げていました」(スポーツ紙記者)

ゲーム差0.5でも会見は拒否

一回表は得点好機で佐藤輝明が三振。三回裏のDeNAの先制点もそうだった。ビーズリーが2ストライクまで追い込んだ後のハーフスイングが「振っていない」と判定され、その直後に打ち込まれたのだ。

試合終了も、代打のJ・ミエセスの止めたバットが「振った」と判定されてのもの。確かに後味の悪い敗戦ではあったが、「審判団への批判」は決してプラスにはならない。

しかし、ここで思い出されるのは、2月12日のキャンプ中の紅白戦だ。

「最初の試合は若手中心、第2試合が主力クラスでした。審判団は第1試合にベテラン審判、第2試合で若手審判団を登用しました。S・ノイジーが自信を持って見送ったボールがストライクと判定されたんです。ノイジーが今も日本のストライクゾーンに適応できず、ボール球に手を出すのは、そのときのトラウマだと解釈されています」(球界関係者)

翌24日も敗退し、ついにゲーム差「0.5」。岡田監督はやはり会見を拒否したが、

「移動日のイベント記事から(チームが)おかしくなった」

と、顔をしかめた。

これは今回の首位攻防3連戦を翌日に控えた22日、DeNAが本拠地で強い理由を聞かれた岡田監督が「(試合前やイニング間の)イベントの時間が長いよな。あれでちょっと拍子抜けするよな」と発したことを報じた記事について。

昨季から連敗中の横浜スタジアム、他愛のないボヤキ発言だと思われるが、球界最年長指揮官・岡田監督は八つ当たりのような言動は見せてこなかったはずだ。

「守護神の湯浅京己が三度も炎上し、二軍降格となりました。代理クローザーの岩崎優は、17日のソフトバンク戦で逆転を許しました。岩崎は3連投だったんです。試合後、岡田監督は『明日は休ませるから頼むって思って…』と苦しい台所事情を吐露していました」(前出・在阪メディア記者)

“負けてもいい”は責任を取るの意

先発陣にも、陰りが見えてきた。今季6勝の大竹耕太郎、同5勝の村上頌樹に一時期の勢いがなくなり、エース・青柳晃洋も再昇格の話が出てこない。

「青柳は、ファーム戦では好投しているんですが…。岡田監督は青柳の投球スタイルに、一抹の不安を抱いていました。走者のいない場面でもクイックを使い、タイミングを外そうとするんですが、監督は『クイックでコントロールを乱している』と捉えていました」(前出・球界関係者)

両者の関係を不安視する声も聞かれたが、チーム失速の最大の原因は投手陣の崩壊だろう。

「今季は先発で調整していた岩貞祐太、及川雅貴の両左腕が中継ぎに戻り、リリーフの富田蓮、ビーズリーがシーズンが始まってから先発に回りました。一方、21歳の西純矢は先発ローテーションに入っていたのにリリーフに回り、また先発ですよ」(同)

たらい回しである。

いや、老獪な指揮官はもっと先を見据えて配置換えしたのかもしれないが…。

「岡田監督が『負けてもいい』と言うときは、決意表明でもあるんです。第一次政権下の05年9月7日、本塁突入の判定をめぐり、岡田監督が審判団にキレてしまい、没収試合寸前でした。試合再開後、マウンド上にいた現投手コーチの久保田智之のところまで行き、『負けてもいい』と言ったんです。責任はオレが取るの意味です」(同)

後半戦を見据えているのは間違いなさそうだが、チームの混乱は続いている。首位陥落した25日の試合前、佐藤の二軍降格が決まったのだ。青柳に次ぐ〝無期限調整〟か? 迷走が続けば、優勝争いからの脱落も十分にあり得る状況だ。

あわせて読みたい