衆院解散が見送られ、しばらく国政選挙がない中、9月3日に予定されている岩手県知事選が注目を集めている。立憲民主党(立民)の小沢一郎衆院議員の牙城である『小沢王国』が「崩壊するのか否かの瀬戸際」に追い込まれているからだ。
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「小沢氏の地元・岩手県の国家老が、達増拓也知事だ。その知事選まで、いよいよ3カ月を切った。達増氏は5選目を目指すが、これに待ったを掛けるのが、自民党全面支援の前県議の千葉絢子氏。下馬評では大接戦となる様相です」(岩手県議関係者)
長年、岩手県は「小沢王国」と位置付けられ、自民党は岩手で手も足も出なかった。ところが、2021年の衆院選岩手3区で自民党の藤原崇氏が約1万票の差をつけ18選を目指した小沢氏に勝利。小沢氏は比例復活という屈辱を味わった。
「小沢氏は81歳という高齢に加え、立民内でも泉健太代表や岡田克也幹事長、枝野幸男前代表らと距離を置き、かつての〝剛腕〟〝壊し屋〟の面影は、まったくない」(立民関係者)
全力で応援するも…敗北
小沢王国の凋落は、小沢氏の敗北だけではない。昨年の参院選でも、岩手選挙区は小沢氏と達増氏の元秘書で当時、立民現職の木戸口英司氏が自民党新人の広瀬めぐみ氏に2万票以上の差をつけられ敗れているのだ。
「この参院選は、小沢氏も木戸口氏の応援で地元入り。また、達増氏も自身の知事選を見据え全力で支援したが、敗北した。これまで岩手知事選は、達増氏が自民党などの推す候補に大差をつけ勝ってきたが、小沢氏、木戸口氏の撃沈で状況が一変した。達増陣営も、9月の知事選で勝てるのか疑心暗鬼になっている」(同)
6月16日、小沢氏ら12人の衆院議員が呼びかけ人となり、次期衆院選で野党共闘を掲げる『野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会』が発足した。
「泉代表が野党共闘に消極的なため、小沢氏らが動いたわけだ。確かに、野党乱立では自公に勝てないのも事実だが、裏を返せば、それほど小沢氏は自分の選挙で手いっぱいなのだろう」(同)
達増氏の〝討ち死に〟で、小沢王国も落城する。
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