――「カミソリ灘」の異名を取るプロ雀士の灘麻太郎先生は、1979年に『粉雪の街』でデビュー以来、歌手としても長く活動されています。3月22日にリリースされ、全国のスナック街で話題沸騰という『彼女と大阪/北国行き』ですが、ソロ曲の『彼女と大阪』にはどんなイメージをお持ちになりましたか?
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灘 激動の昭和を生き抜き、その世界観をあえて令和に歌ったという感じかな。
――ドラマチックですね。
灘 俺も長いこと世の中を見てきているからね。大阪にもひと方ならぬ思い出があるんだよ。
――一方の『北国行き』は「純子&麻太郎」名義で、実力派歌手の叶純子さんとのデュエット曲です。お二人は2019年にも『あゝわっかない』をリリースしています。
灘 純ちゃんとは40年来の付き合いだし、この前も相性バッチリだったので、またデュエットしてほしいとお願いしたんだよ。
叶 お声を掛けていただき、ありがとうございます。
――楽曲の印象は?
灘 本当はね、俺の声が高くて彼女の声は低いから、バランスを取るのが難しいところだけど、そのあたりは作曲家の先生がうまいんだね。レコーディングしたらぴったりと合ったし、純ちゃんもさすがプロだと唸らされたよ。
叶 そう言っていただけると光栄です。
本当に大切なのは心
――叶さんはどう思われましたか?
叶 私は歌詞の魅力に惹かれましたね。女性が男性を追いかける歌。その切なさが伝わってきて、ぜひ歌わせていただきたいと、私も気持ちが乗りました。
――一般の方がカラオケで歌うときは、どんなことに注意すればいいですか?
叶 昔、あるディレクターさんに「歌い手は苦労して苦労して、ようやく何十年の味が出る。ただうまいだけ、声が出ているだけではダメだ」と言われたことがありました。感情が入った歌は、やっぱり聴く人の心を揺さぶるんですね。
――小手先のテクニックよりも、本当に大切なのは心ということですね。
叶 私もデビュー40年で実感しています。ようやく、そういう歌が歌えるようになったかな。
灘 純ちゃんは苦労人だからね。でも、素晴らしい歌い手だから、こうやって一緒にデュエットできて感無量だよ。覚えやすい曲調なので、ぜひ皆さんにも歌ってもらいたいね。
――今後の目標は?
叶 この歌を1人でも多くの人に聴いてもらいたいですね。私のディナーショーで「先生、どうぞ」と一緒に歌えるのが楽しみです。
灘 そんな大舞台だと俺も照れるよ。そのためには、とにかくヒットさせたいね。
灘麻太郎(なだ・あさたろう)
北海道札幌市出身。「カミソリ灘」の異名を持ち、プロ雀士として数多くのタイトルを獲得。’81年に小島武夫らと日本プロ麻雀連盟を設立し、第2代会長を務める(現在は名誉会長)。3月22日、灘麻太郎/純子&麻太郎『彼女と大阪/北国行き』をリリース。
叶純子(かのう・じゅんこ)
山口県萩市出身。幼少の頃から歌が好きで、作曲家の鈴木淳氏にスカウトされて上京。厳しいレッスンの後、1981年に故・黒木憲さんと、黒木憲&NANCY(ナンシー)として『粋な夜』でデビュー。翌’82年には叶純子として『酔いどれ涙酒』でソロデビュー。
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