韓国大統領直属の情報機関『国家情報院(国情院)』は5月31日、国会情報委員会への報告で「北朝鮮の金正恩総書記が睡眠障害を抱えているうえ、体重が145キロ以上に増加している」との見方を示した。2021年10月に国情院は、前年の約140キロから20キロ近く減量したと報告していたが、ここ数年で激しくリバウンドしたとみられる。
国情院によると、北朝鮮当局が不眠症治療薬に関する海外の情報を集めているほか、たばこや菓子など高級な嗜好品を大量に買い求めているという。
「正恩氏のアルコールやニコチンへの依存が高まり、それによって睡眠障害が進む悪循環が起きている可能性があります。ストレスを発散させるための菓子類が、さらに糖尿病を悪化させることもあるでしょう」(北朝鮮ウオッチャー)
体重145キロという驚異の数字は、正恩氏の最新映像をAI(人工知能)が分析した結果だという。
「昨年末から正恩氏の手や腕に引っかき傷があることが確認されており、国情院は『肥満によるアレルギーやストレスなどが、複合的に作用した皮膚炎』と推定しています」(同)
これだけ太れば当然だが、正恩氏の健康状態についてまたぞろ異変説が浮上している。北朝鮮の国営メディアは5月17日、正恩氏が軍事偵察衛星1号機の打ち上げを担う準備委員会を現地指導したとして、視察中の写真を公開した。
死亡説も流れた過去
正恩氏の公開活動は、4月18日に国家宇宙開発局を現地指導してからおよそ1カ月ぶりだったが、両方の写真を見比べると、左手首に以前はなかった赤黒い斑点が確認できたという。
「斑点は注射の痕のようにも見えます。3年前の20年4月、正恩氏は3週間も雲隠れして死亡説まで流れました。その後に姿を現した際も、カテーテルの挿入痕らしきものが右手首に見られ、心血管治療を受けていたと指摘されました」(国際ジャーナリスト)
この治療が心臓手術と誤解されたことが、そもそも死亡説が拡散した原因だったが、今もなお正恩氏の病状は思わしくないと考えられる。
また、国情院は今年に入って、北朝鮮のトウモロコシの価格が昨年同期より約6割、コメが約3割高騰したと報告。さらに、餓死者は例年の3倍に増加し、自殺者も昨年より約4割増えたとの分析も示した。
「凶悪犯罪も急増して、手製爆弾を投げつけて物資を奪うといった組織犯罪も起きています。国民生活が困窮する中で、最高指導者の正恩氏だけが逆太りしていたことになります」(同)
正恩氏の体重増加が、すぐさま政変に結びつくわけではないが、異常な肥満体形は本人だけでなく、北朝鮮にとっても大きなリスクであることは間違いない。
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