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福岡でも起きていた立てこもり…“ワンオペ”で疲弊した医師が暴走か

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長野県で起きた立てこもり事件では主婦や警察官ら4人が惨殺されたが、実は同時期に九州でもよく似た事案が発生していた。

それが5月28日、福岡県警糸島署に逮捕された、『はたえなごやか内科クリニック』(糸島市)院長の前田隆一郎容疑者(50)が起こした事件。端緒となったのは、前日午後9時半ごろ、同医院の上階に入居する学習塾の講師が110番通報したことからだった。

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「それが『生徒を迎えに来た親が、知らない男からナイフを突きつけられた』という電話だった。警官が駆けつけると、すでに前田は保護者を放しナイフを持ったまま1階の医院に1人で立てこもっていた。それで出てくるよう説得したが応じないため、閃光弾を使い突入。公務執行妨害で逮捕したのです」(地元紙記者)

妻も療養で看護師もいない

事件を起こした前田容疑者は福岡市出身で、祖父や父も医師という家系に育った。熊本大学医学部を卒業後は、九州大学医学部付属病院や熊本大学病院、北九州市立門司病院などで消化器内科や心療内科医として勤務。その後看護師だった妻の籍に入る形で結婚し、2019年に同医院を開業したという。

「開業当初は夫婦仲も良く、外車を乗り回すなど羽振りも良かったようです。ところが、2年ほど前に医院の看護師をしていた妻が家を出た。これについて前田はHPに『心の病で現在も療養中』などと記しているが、それからは受付、診療、経理を1人でこなし、心身ともに疲弊していたようなのです」(同)

事実、同院の患者によると「最近は見るからに暗く、人が変わったようだった」という。また「10日ほど前からは何かに追い詰められている感じで精神状態がおかしかった」(関係者)との話もあり、日々のストレスで〝暴発〟したとみられている。

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