北朝鮮と中国の国境付近にそびえる白頭山は朝鮮民族の聖地とされ、日本で例えるなら富士山のような特別な存在だ。加えて北朝鮮では、初代最高指導者の金日成主席が白頭山を根城とした抗日パルチザンだったとされており、その息子である金正日総書記、孫の金正恩総書記も「白頭山の血統」と喧伝されている。
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有り体に言えば白頭山は金一族を神格化するための「舞台装置」でもあるわけだが、近年は頂上付近での地殻変動が活発化しており、深刻な噴火の前兆だと指摘されるようになった。
「白頭山は、100年に一度の小噴火と1000年に一度の大噴火を繰り返してきた活火山です。15年に韓国の釜山大学がまとめた白頭山噴火時のシミュレーションによると、噴火から36時間で韓国のほぼ全域が火山灰に覆われ、農作物や交通機関、精密機器製造業などが壊滅的な打撃を受けます。当然、日本にも甚大な被害をもたらすでしょう」(災害に詳しいライター)
300回以上もの地震が…
すでに研究チームが撮影した2005年時点の映像で、白頭山の地下にマグマが溜まっていることや、地下から噴出するガスで白頭山の樹木が枯死していることが確認されている。
もし、近い将来に946年の大噴火と同規模の噴火が起これば、白頭山の頂上にある火口湖から20億トンもの水が流れ出し、山麓にある北朝鮮と中国東北部は大規模な洪水に襲われるという。
「朝鮮半島は地震が起きないことで知られていました。しかし11年以降、韓国では多い月で300回以上も地震が起きており、規模もマグニチュード(M)3〜4に上がっています」(国際ジャーナリスト)
北朝鮮は06年から17年までの間に、計6回の核実験を繰り返しているが、核実験場のある咸鏡北道吉州郡豊渓里では、M3前後の地震が頻繁に発生している。
「英国の著名な火山科学者であるロビン・アンドリュース氏は、『水爆実験が白頭山噴火を誘発する恐れがある』と懸念しています」(北朝鮮ウオッチャー)
4年前に公開された韓国映画『白頭山大噴火』が、いよいよ現実のものとなるかもしれない。
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