3月28日に死去した世界的な音楽家・坂本龍一さん(享年71)は、亡くなる数日前に家族や医師に「つらい。もう、逝かせてくれ」と頼み込むほどだったという。坂本さん以外にも、凄絶な闘病の末に旅立った著名人は多い。
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青山学院大学入学後、18歳で芸能界デビューし、「現役女子大生アイドル」として人気になった川島なお美さん(享年54)は、『お笑いマンガ道場』(日本テレビ系)などでタレントとして活躍していたが、1993年に突如ヘアヌード写真集を発売。55万部を売り上げると、社会現象になった97年のドラマ『失楽園』(日本テレビ系)で体当たりの演技を披露し、一流女優の仲間入りを果たした。
プライベートでは、2007年にパティシエの鎧塚俊彦さんと婚約し、09年に入籍。幸せな新婚生活の1年目、最初に病魔に襲われたのは夫の鎧塚さんだった。網膜の血管が詰まって出血する目の病気「網膜中心静脈閉塞症」で左目を失明したのだ。
このとき、なお美さんは自身のブログで「私が彼の左目になります」と宣言。献身的に鎧塚さんを支えた。
しかし、13年にはなお美さんに人間ドックで「肝内胆管ガン」が見つかる。
「なお美さんは『女優の体は簡単に傷をつけられるものじゃない』と外科切除を拒み、最終的には最小限の傷しかつかない内視鏡カメラで行う〝腹腔鏡手術〟を選択。14年1月28日に12時間にも及ぶ手術を受けました」(芸能記者)
最後の日に病室で起こった奇跡
手術は成功したが、肝内胆管ガンの手術後5年生存率は50%以下。14年7月、夫婦でゴルフを楽しんだ帰り道、なお美さんの携帯が鳴り、ガン再発を告知されたという。
翌年には「愛娘」としてかわいがっていたダックスフントのシナモンが亡くなった。
「シナモンの死因は、偶然にも肝臓にできた腫瘍だったそうです。なお美さんは闘病をつづった手記『カーテンコール』(新潮社)の中で、《私の病気を娘が代わりに背負ったとしか思えません》と記していました」(同・記者)
再発の宣告後も、川島さんは「絶対に治る」と信じて、大好きなワインも断ち、免疫療法や漢方、マイクロ波治療など、あらゆる民間療法を実践。5月には主演ミュージカルが開演した。
「この頃には〝腫瘍熱〟と呼ばれる高熱に毎日悩まされ、解熱剤と点滴が欠かせなくなっていたそうです。それでも執念で舞台に立ち続けましたが、体重30キロ代まで激ヤセした体に腹水が溜まり始め、肝臓でキレイにできない血液にアンモニアが残留。それで脳が麻痺し、舞台の袖でセリフが分からなくなり、ろれつも回らなくなって降板を決断したのです」(同・記者)
この時ばかりは、なお美さんも「もうアタシ、ダメなのかな…」と弱音をこぼしたという。
なお美さんが天に召された15年9月24日、病室で奇跡が起きた。脳が麻痺し、すでに意識もない状態だったため、「目を開けるようなことはない」と医師から告げられていたというが、最後になお美さんがガバッと起き上がり、強い目で鎧塚さんを見つめ、手をグッと握りしめたというのだ。
天国でシナモンと再会したであろうなお美さんは、今も愛犬と共に鎧塚さんを見守っているはずだ。
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