今週は『桜花賞』を取り上げます。
《馬場傾向》
昨年の桜花賞の週は、Bコース替わりで馬場が一気に高速化。桜花賞では4角で内々を回った馬が上位を独占したように、外枠の馬には苦しい展開だった。近年の桜花賞は、Bコース替わりで傷んだ内がカバーされ、高速決着になることが多い。特にスローペースで上がりの速い決着では、内枠の馬が活躍している。
【関連】JRA重賞『大阪杯』(GⅠ)美人競馬研究家・山崎エリカの「負けない馬券」 ほか
《ペース傾向》
過去10年で、かなりのハイペースが2度、かなりのスローペースが2度。ややハイペース、ややスローペースもそれぞれ2度ずつあり、とにかく振れ幅が大きい年によって傾向が違うので、展開による決め打ちはあまりオススメしない。
《脚質傾向》
逃げ馬1勝、先行馬3勝、中団馬2勝、差し馬1勝、追込馬は3勝。逃げは不利だが、先行馬も追込馬も万遍なく活躍している。
立て直され巻き返し濃厚のラヴェル
★シングザットソング
阪神芝1600メートルの新馬戦では、ラスト2F11秒0-11秒0と最後まで減速することなく、勝利した素質馬。その後はスタート後に大きく外にヨレる癖を出すようになり、能力を出し切れなかったが、前走のフィリーズレビューでは、ヨレる癖が改善され、好スタートを決めることが出来た。また、前走は先行馬には厳しい消耗戦だったが、好位の外から早めに勝ちに行く競馬で優勝。2着馬とはクビ差だったが着差以上に強い内容で、本格化を感じさせた。レースを順調に使われている強みもあり、一冠目奪取へ期待が高まる。
★ラヴェル
デビュー2戦目のハイレベル戦だったアルテミスSを優勝。同レースでは、出遅れて最後方からの競馬だったが、3〜4角の外からじわっと前のスペースを詰め、直線の外から一気に伸びた。今回、1番人気が予想されるリバティアイランドをクビ差振り切った内容は、見事だった。さすがは昨年の牝馬クラシックで活躍したナミュールの半妹で、抜群の瞬発力の持ち主である。前走の阪神JFは、不利な大外18番枠から出遅れ、追走に忙しい競馬。休養明けで好走した疲れもあって、末脚不発の11着だったが、立て直されての今回は、巻き返しが濃厚だ。
★ドゥアイズ
トップナイフなど、後の活躍馬ぞろいの新馬戦を勝利し、札幌2歳Sは好位の直後の外目から、向正面で進出して2着。阪神JFは外枠から3〜4角で上手く内に入れたが、最後の直線で進路取りにスムーズさを欠く場面があっての3着だった。前走のクイーンCはやや出遅れたが、そこから押してじわじわ挽回し、好位の最内を追走。向正面で2列目まで上がって、最後の直線序盤ではやや捌くのに苦労しながらも、ラスト2Fで先頭に立って押し切りを図る強気な競馬。最後はハーパーに差されてしまったが、強い内容だった。本馬には、レースで常に崩れぬ強さがある。
山崎エリカ
新潟県出身。類いまれな勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性競馬研究家。独自に開発した「PP指数」を基にした予想をnetkeiba.comの『ウマい馬券』で掲載。おもな著書に『全106コース対応 山崎エリカの逃げ馬必勝ナビゲーション』(ガイドワークス)。公式ツイッター=@_yamazaki_erika.
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