魔物は日本最長バンクに棲む! 大宮競輪場で「追い込み有利」の定説が崩壊した日


大宮競輪場
【漢(オヤジ)の旅 埼玉県さいたま市編(1)】
『週刊実話 ザ・タブー』で連載中の藤木TDC氏による「漢(オヤジ)の旅」は、全国の公営ギャンブルをめぐるディープツアーガイド。金はないけど飲む・打つ・買う。今回は、埼玉県大宮競輪体験記をお届けする。

敵は日本最長のバンク!

ギャンブルと酒のドケチ旅、今回は埼玉県さいたま市大宮区、大宮競輪の旅である。

大宮競輪といえば今や希少な絶滅危惧種となった500メートルバンクの競輪場。333メートルバンクよりもさらに難しい、ファンにも選手にももっとも敬遠される難儀な施設で勝利を得られるか、一寸先は闇の捨て身勝負が始まる!!

500㍍バンクには魔物が住むという。現在、全国に43カ所ある競輪場のうち、500バンクはわずかに3カ所。宇都宮、大宮、高知のみだ。

少し前までは千葉、熊本にもあったが、千葉はインドア250メートルの五輪競技型新競輪(PIST6)に転換、熊本は施設改築に合わせ主流の400メートルに改修した。20年以上前までさかのぼれば大津、松山、門司も500バンクだったが、廃止、または施設移転とともに400に変更されている。

なぜ500は嫌われるのか。それは4コーナーを回った後のゴール前直線が長いため、先行選手どころかマークの選手も残れず、4~5番手の選手が追い込んで勝ったりするためだ。

バックストレッチから最高の捲りで最終コーナーを回り、あとは番手が先頭を抜くだけ、思わず「できた!」とつぶやいたゴール直前、3~4番手の選手が差して1着入選したりする。

こと大宮バンクは直線距離約67メートルと日本最長(2位の宇都宮バンクより3メートル以上長い)。ある意味4角を抜けたあとでヨーイドンのケースもあり、予想が難しすぎる。

しかし、そんな難解競輪所にもあえて果敢に挑むのが旅打ちである。

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